質問主意書

第211回国会(常会)

質問主意書

質問第八三号

赤い羽根共同募金の受配者が社会福祉法第百二十二条に反して寄附金を募集していることに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和五年五月二十五日

浜田 聡


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   赤い羽根共同募金の受配者が社会福祉法第百二十二条に反して寄附金を募集していることに関する質問主意書

 共同募金運動は昭和二十二年より「国民たすけあい運動」として始まり、現在社会福祉法に定められている共同募金事業は、社会福祉施設等が個々に募集するよりも、社会福祉事業への寄付金募集を一元的に合理化して、寄附金を効率的に活用できるようにすることを動機の一つとして考案された制度である。社会福祉法第百二十二条は、こうした共同募金の本来の趣旨等を踏まえて、同じ目的で寄付金募集はされない旨を明らかにする趣旨で「共同募金の配分を受けた者は、その配分を受けた後一年間は、その事業の経営に必要な資金を得るために寄附金を募集してはならない。」と定められている。他方、共同募金の受配者の団体ホームページなどを確認すると、団体事業の経営に必要な資金を得る目的で寄附金を募集している団体が確認でき、受配者や受配者を決定している共同募金会に対する不信の声がインターネット上で散見される。これは共同募金制度そのものを脅かす事態であり、適正な運用を行い国民の信頼回復に努める必要があると考える。

 以上を踏まえて、以下質問する。

一 共同募金の受配者に対して、社会福祉法第百二十二条に基づき寄附金の募集をしてはならないことを配分決定時等に周知するための仕組みはあるか。ない場合、何らかの仕組みを整える必要があると考えるが、政府の見解如何。

二 社会福祉法第百二十二条を受配者が遵守しているか確認する仕組みはあるか。ない場合、何らかの仕組みを整える必要があると考えるが、政府の見解如何。

三 共同募金の受配者が、配分を受けた後一年以内に、その事業の経営に必要な資金を得るために寄附金を募集していることが明らかとなった場合、当該受配者に対してどのような措置が採られるか。

四 共同募金の受配者が、社会福祉法違反をしていることが明らかとなった場合に共同募金の寄附を行った国民に対して説明等を行う仕組みはあるか。ない場合、何らかの仕組みを整える必要があると考えるが、政府の見解如何。

五 社会福祉法第百十四条第三号では、共同募金会の設立の認可に当たり、「当該共同募金の配分を受ける者が役員、評議員又は配分委員会の委員に含まれないこと。」が審査事項の一つとして定められているが、当該事項を確認するために行われる審査内容を示されたい。また、何らかの事情で受配者が役員、評議員又は配分委員会の委員に含まれていたことが発覚した場合、受配者若しくは当該役員、評議員又は配分委員会の委員はどのような措置を採られるか。

六 共同募金事業の政策評価は制度開始当初から今日に至るまでに実施されたか。政策評価法の対象外で実施されていない場合、任意で実施し時代の変容に合わせ制度の見直し等の検討をすべきと考えるが政府の見解如何。

 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、転送から七日以内での答弁は求めない。国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内には答弁されたい。

  右質問する。