質問主意書

第211回国会(常会)

質問主意書

質問第六一号

認証ADRで成立した和解に基づく強制執行を可能とする制度の創設等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和五年四月二十五日

牧山 ひろえ


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   認証ADRで成立した和解に基づく強制執行を可能とする制度の創設等に関する質問主意書

 第二百十一回国会において成立した裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律の一部を改正する法律、すなわち改正ADR法には、認証紛争解決手続(以下「認証ADR」という。)において成立した和解に基づく強制執行を可能とする制度の創設や利用者等に対する情報提供等の内容が含まれており、これらについて以下のとおり質問する。

一 認証ADRの実施件数(認証ADR事業者の取扱件数)は、平成二十三年頃までは順調な伸びを示していたが、その後停滞している。

1 認証ADRの実施件数の停滞の原因については、どのように分析しているか。

2 前記1の分析を踏まえ、どのような対策を行っているか。

二 民間事業者が行うADRの取扱件数の現状はどうなっているか。また、政府としては、民間事業者によるADRの意義をどのように考えているか。

三 執行力付与の対象となる「特定和解」は、「認証紛争解決手続において紛争の当事者間に成立した和解」であることが要件とされている。

1 認証ADRで成立した和解に限定した理由を示されたい。

2 ADRを実施している弁護士会でも、法務省の認証を必ずしも取得していないところもある。この点、ADRの実施者としては専門的知識を有する弁護士が適切であるとした上で、認証のない弁護士会が実施するADRでの和解合意についても執行力を付与することも検討すべきとの指摘が法案の検討の際にあったが、この点に関する政府の見解を示されたい。

四 執行力付与の対象となる「特定和解」は、「当該和解に基づいて民事執行をすることができる旨の合意がされたもの」とされているが、その理由を示されたい。

五 改正ADR法では認証ADR事業者が認証を受けている旨やその業務の内容等について公示する方法として事務所における掲示に加え、インターネットの利用その他の方法により公表することとしているが、その趣旨を示されたい。

  右質問する。