質問主意書

第211回国会(常会)

質問主意書

質問第五七号

休眠預金等活用法に基づく休眠預金活用事業の利益相反に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和五年四月二十日

浜田 聡


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   休眠預金等活用法に基づく休眠預金活用事業の利益相反に関する質問主意書

 民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律(平成二十八年法律第百一号)の成立に伴い、民間公益活動促進のための休眠預金等活用に関する業務(以下「本業務」という。)を内閣府が担当している。本業務は一般財団法人日本民間公益活動連携機構(以下「JANPIA」という。)が指定活用団体として、預金保険機構から休眠預金等交付金を受けて、民間公益活動促進業務を実施するとともに、助成又は貸付けを行った資金分配団体等を監督する(法第二十一条及び第二十二条第三項)一方、内閣総理大臣の監督を受けている。また、本業務については、内閣府より「休眠預金等交付金に係る資金の活用に関する基本方針」(平成三十年三月三十日内閣総理大臣決定。令和四年四月二十七日一部改正)が公表されており、国民の資産である休眠預金等に係る資金を公正かつ効率的に活用するため、休眠預金等に係る資金の活用に当たって利益相反の防止を含めた九つの基本原則(以下「基本原則」という。)が定められている。これらを踏まえて、以下質問する。

一 休眠預金活用事業二〇二〇年度緊急支援枠「随時募集三次」において、資金分配団体として指定された公益財団法人パブリックリソース財団と特定非営利活動法人ホームレス支援全国ネットワークから成る共同事業体より、一般社団法人Colaboに対して女性用シェルターのアパート建設資金が助成されているが、当該資金分配団体である特定非営利活動法人ホームレス支援全国ネットワークの理事長奥田知志氏は、民間公益活動を行う団体であるColaboの理事も務めている。このように、資金分配団体の構成員が民間公益活動を行う団体の役員を務める人物であることについて利益相反に当たらないか、政府の見解如何。

二 JANPIAが行っている資金分配団体の公募審査において、二〇一九年度から直近に至るまで審査委員長に龍谷大学政策学部教授深尾昌峰氏が選定されているものが複数存在し、審査委員も毎回大きな変更がないことが分かる。同一人物が審査委員長及び審査委員を複数回担うことは基本原則の観点から適正と考えるか、政府の見解を示されたい。

三 資金分配団体として選定された団体の中に、プラスソーシャルインベストメント株式会社という、深尾氏が二〇二〇年十二月まで代表を務めた会社がある。また、インターネット上で公開されている資料を見ると、深尾氏は当該会社のグループ会社であるPLUS SOCIALグループの代表を名乗り兵庫県が主催している講座に講師として登壇していることが分かるが、このように資金分配団体の関係グループの代表が資金分配団体の公募審査の審査委員長を務めることは基本原則の観点から適切か、政府の見解を示されたい。

四 前記一及び三について、基本原則を遵守するための観点から、資金分配団体の審査委員及び資金分配団体と民間公益活動を行う団体との関係性において利益相反の疑惑等が起こらぬよう規則又は運用等におけるチェック体制を強化あるいは見直すことを政府から求める必要性について、政府の見解を示されたい。

 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、転送から七日以内での答弁は求めない。国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内には答弁されたい。

  右質問する。