質問主意書

第211回国会(常会)

質問主意書

質問第四九号

東京都若年被害女性等支援事業の補助制度化に伴う効果等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和五年四月四日

浜田 聡


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   東京都若年被害女性等支援事業の補助制度化に伴う効果等に関する質問主意書

 二〇二三年二月二十一日の東京都議会本会議において、都民ファーストの会東京都議団のたきぐち学都議は、東京都若年被害女性等支援事業(以下「本事業」という。)について、「本事業に関し、国からは、民間団体を活用する場合、委託で実施することとされていますが、団体ごとに支援対象者の年齢、支援拠点、手法なども異なり、客観的に同一の成果を求める委託のスキームはなじみにくいと考えます。小規模なものも含めると、担い手となる団体も増えてきており、団体の規模にかかわらず、より多くの民間ノウハウを活用できるよう、補助によるスキームに改めることを検討すべきです。これにより、経費の使途もより明確になることから、都民の理解も得やすくなると考えますが、見解を伺います。」と質問した。

 これに対して、東京都は、「若年被害女性等支援事業についてでございますが、困難を抱える若年女性の自立の推進を図るため、支援することは必要であり、都は、国の要綱に基づき、民間団体等と連携し、SNSによる相談や見回り等のアウトリーチなどを行ってございます。民間団体を活用する場合は委託とされており、事業開始当初から民間団体に委託してございます。この間、若年女性の支援に取り組む団体も増えてきており、そうした民間のノウハウを幅広く活用し、支援対象の状況に応じて柔軟に対応できる仕組みとすることが、必要となってございます。こうしたことを踏まえ、来年度からは、それぞれの特色を生かして、若年女性等の支援に取り組む団体の活動を一定の基準に基づき後押しできるよう、補助制度化に向け、国と調整してございます。」と答弁した。

 以上の都議会における質疑は双方に多数の誤った認識を含んでいると考えるが、当該質疑を踏まえ、本事業の補助制度化による効果等について以下質問する。

一 たきぐち学都議は前記質疑において、「本事業に関し、国からは、民間団体を活用する場合、委託で実施することとされています」と述べているが、若年被害女性等支援事業において民間団体を活用する場合は委託形式でなければならないとの認識は正しいか。政府の見解を示されたい。

二 たきぐち学都議は前記質疑において、「客観的に同一の成果を求める委託のスキーム」と述べているが、若年被害女性等支援事業の委託のスキームについては、受託者に客観的に同一の成果が求められるもので、支援対象の状況に応じた柔軟な対応が困難なものであるとの認識は正しいか。政府の見解を示されたい。

三 たきぐち学都議は前記質疑において、「補助によるスキームに改める」ことにより「経費の使途もより明確になる」と述べているが、若年被害女性等支援事業における民間団体の利用形態を、委託のスキームから補助によるスキームに切り替えることによって経費の使途が明確になる顕著な効果があるとの認識は正しいか。

 例えば、東京都担当部局による本事業に係る住民監査請求結果を受けての再調査の過程では、受託事業者が個人情報保護を理由に領収書の提示を拒否する問題が生じたが、このような個人情報保護を理由とした会計関係書類の提示拒否は補助制度化した場合も認められるのか。

 また、補助制度化により、「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」上の自治体の地位や義務は変化が生じるのか。政府の見解を示されたい。

四 東京都は前記質疑において、「若年女性等の支援に取り組む団体の活動を一定の基準に基づき後押しできるよう、補助制度化に向け、国と調整してございます。」と述べているが、この調整は政府の令和五年度の若年被害女性等支援事業の執行に当たっての東京都の事業の採択を前提としたものか。政府の見解を示されたい。

 また、実際に現在どのような調整が政府と東京都の間で進められているのか明らかにされたい。

  右質問する。