質問主意書

第211回国会(常会)

質問主意書

質問第四七号

関税法に定める公安を害すべき物品に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和五年三月三十一日

浜田 聡


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   関税法に定める公安を害すべき物品に関する質問主意書

 関税法第六十九条の十一第一項第七号は、「公安又は風俗を害すべき書籍、図画、彫刻物その他の物品」の輸入を禁じている。このうち「公安を害すべき」の文言については、昭和三十七年七月十日の衆議院大蔵委員会において、清水晶参考人が法制局の見解として、「破防法第四条第一項第一号に言うところの刑法第七十七条、第八十一条、第八十二条、これを読みますれば、内乱、外患誘致、外患援助、そういうものである」と紹介した。

 また、公安調査庁は革命的共産主義者同盟全国委員会(以下「中核派」という。)等の「共産主義革命を起こすことを究極の目的としている極左暴力集団」を破壊活動防止法(昭和二十七年法律第二四〇号)に基づき、暴力主義的破壊活動に係る調査を行っている。

 このことについて、以下質問する。

一 関税法における「公安を害すべき物品」とは「破壊活動防止法第四条第一項第一号ニに掲げる文書又は図画」がこれに当たるという見解は、当時の政府見解であるとの認識で良いか。また、この見解は現在においても変わりないという理解で良いか。

二 公安調査庁は、日本共産党が暴力革命の可能性を否定していないことを理由に同党を破壊活動防止法に基づく調査対象団体としているが、ここでいう「暴力革命」とは共産主義革命のうち暴力を伴うものを指すか。「暴力革命」について具体的に示されたい。

三 公安調査庁は、中核派等の極左暴力集団が究極の目的としている「共産主義革命」を「刑法第七十七条、第八十一条又は第八十二条に規定する行為」に該当するものとして調査を行っているか。

四 公安調査庁において、暴力を伴う「共産主義革命」を実行させる目的をもって、「実行の正当性又は必要性を主張した文書又は図画を印刷し、頒布し、又は公然掲示すること」は暴力主義的破壊活動に該当すると捉えているか。

五 税関において、暴力を伴う「共産主義革命」の「実行の正当性又は必要性を主張した文書又は図画」は関税法の「公安を害すべき物品」に該当するとしてその輸入を禁止しているか。

六 税関において、「公安を害すべき物品」の摘発又はその問題となる事案がこれまで発生しているか。発生している場合、どのような事案があるか。

 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、転送から七日以内での答弁は求めない。国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内には答弁されたい。

  右質問する。