質問主意書

第211回国会(常会)

質問主意書

質問第四六号

歴史認識に関わる我が国の政策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和五年三月二十八日

神谷 宗幣


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   歴史認識に関わる我が国の政策に関する質問主意書

 我が国が関係する歴史について、異なる理解から議論が生じる例がある。特に、歴史的な事実に関する誤った情報に基づいて歴史認識や主張がなされている。この状況を、「歴史戦」と表現する向きもあるのは周知のとおりである。

 このような誤った事実認識を発端として、国際社会において、我が国に対する理解が歪んだものになり、日本のイメージが損なわれるのは望ましい状態ではない。

 日本に関する誤った情報や認識が国際社会に広まるのを座視すべきでなく、その是正を図るために先を見越して積極的(プロアクティブ)に行動すべきである。

 また、技術の発展により、様々な情報通信手段が生み出されている。従来からの広報手法に加え、これら様々な手段を駆使して総合的かつ戦略的に対外発信を行うことが重要である。

 かかる状況と考えを背景として、次のとおり質問する。

一 我が国が関係する歴史の認識(以下「本件歴史認識」という。)について、国際社会で様々な情報が広まっている。その中で、誤った事実認識により歪んだ本件歴史認識が流布されているかについて、政府の捉え方や現状評価を明らかにされたい。特に国際社会全般、特定国、国際機関等に関して具体的に回答されたい。

二 次の各問について、総合的かつ戦略的な観点から具体的に明らかにされたい。

1 誤った情報に基づき本件歴史認識が歪められ、日本のイメージが損なわれている場合に、政府としていかなる対応を行っている、又は対応するための体制をとっているか示されたい。

2 かかる対応策は、問題が生じた際に初めて採る措置に限られているか。個別に問題が発生する前から正しい本件歴史認識を発信し定着させるために施策を実施しているか。また、そのための体制をとっているか示されたい。

三 組織・個人等との連携・協力に係る次の各問について回答されたい。

1 正しい本件歴史認識を発信するためには、政府のみならず、オピニオンリーダー、学識経験者等を含む非政府組織や個人とも連携することが重要と考えるが、この点について政府の考えを示されたい。また、これまでいかなる官民連携、協力を行っているか、具体的に説明されたい。

2 国内に限らず、国外において、本件歴史認識を正確な事実を基に取り扱う組織や個人が存在する。これら国外の団体、個人との協力について、政府の考えを示されたい。また、どのような協力を行っているのか、その具体例を示されたい。

  右質問する。