質問主意書

第211回国会(常会)

質問主意書

質問第三六号

チューナーレス液晶テレビのNHK放送受信契約締結義務に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和五年三月六日

ガーシー


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   チューナーレス液晶テレビのNHK放送受信契約締結義務に関する質問主意書

 チューナーレス液晶テレビ(大型モニターにインターネット閲覧機能があるが、基幹放送局が送信する電波を受信する機能はないものをいう。以下同じ。)は、NHKを含む基幹放送局が放送している番組をリアルタイムで視聴することができない。この例外は、ひかりTV等IP再放送を受信するしかないと思われていたが、近年、通信機器の低廉化及びインターネットの高速化に伴い、安価に、放送中の番組をリアルタイムでYoutube等に配信することが技術上可能である。

 そして、政見放送(公職選挙法第百五十条の政見放送をいう。以下同じ。)は、著作権法第四十条によれば誰でも利用できることから、NHKで放送されている政見放送を、リアルタイムでYoutube等に配信したとしても、なんら違法ではない。

 ここで、一つの懸念が生まれる。放送法第六十四条第五項によれば、「協会の放送を受信し、その内容に変更を加えないで同時にその再放送をする放送は、これを協会の放送とみなして前各項の規定を適用する。」とある。すなわち、世界中の誰かひとりでも、NHKで放送されている政見放送を、著作権法上合法だからといって、リアルタイムで変更を加えず配信してしまった場合、チューナーレス液晶テレビは、確かに、合法的に、NHKの放送の内容に変更を加えないで、NHKの放送を視聴する機能を有してしまうのである。

 以上を踏まえて、以下質問する。

一 チューナーレス液晶テレビを設置した者(IP再放送を受信する機械を設置した者を除く。)は、他に基幹放送局が送信する電波を受信する機能を持った機器を設置していない限り、放送受信契約を締結する義務はないと解するが、政府の見解如何。

二 前記の放送受信契約締結義務は、NHKが放送している政見放送を、他の者が受信し、その放送内容に変更を加えないでリアルタイムに配信した動画を視聴したとしても、放送受信契約締結義務がないことを左右しないと考えるが、政府の見解如何。

 なお、本質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、転送から七日以内での答弁は求めない。国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内には答弁されたい。

  右質問する。