質問主意書

第211回国会(常会)

質問主意書

質問第一六号

PTAの入退会と学校で有する保護者等の個人情報に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和五年二月十四日

浜田 聡


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   PTAの入退会と学校で有する保護者等の個人情報に関する質問主意書

 末松信介文部科学大臣(当時)は、令和四年六月十七日の定例記者会見において、「各学校のPTAは、児童生徒の健やかな育成のために、保護者と教師が自ら組織する任意の社会教育団体であり、学校と家庭と地域の連携を強化していく上で重要な役割が期待されている。一方で、その運営の在り方については、それぞれのPTAの地域の状況に応じて協議し、自主的に決めていくことが正しい考え方である。PTA入退会についても、それぞれのPTAでご判断いただくというのが筋である」という旨発言している。他方、PTAが入退会自由な任意団体であるとしても、圧倒的多数の保護者がPTAに加入している現状の下では、PTAに対する入退会、特にPTAからの退会に際して、相当程度の社会的な圧力ないしは働きかけが行われることは、想像に難くないところである。そして、かかるPTAの行動によって、PTAに加入する保護者の子どもと加入していない保護者の子どもとの間で、学校教育上の取扱いに差異が生ずることとなりかねない。各家庭における生活様式や経済状態、学校の活動に対する基本的な考え方が単一でなくなっている現在では、従来のPTA活動を基礎付けてきた前提のうち、大抵の保護者が基本的に一致した考え方を持っているはずであるという部分がおよそ成り立たなくなっており、実際に報道等を見る限り訴訟等の法的紛争に発展しているケースも存在している。以上を踏まえて、PTAの入退会と学校で有する保護者等の個人情報について、以下質問する。

一 各家庭における生活様式や経済状態、学校の活動に対する基本的な考え方が単一でなくなっている現在におけるPTAについて、PTAはあくまでも任意団体であり個々のPTAによってその在り方は変わり、PTAの入退会によって当該保護者や子供に不利益や不当な扱いがなされるべきではないと考えるが、政府の見解如何。

二 PTAの入退会や個人情報管理等に関連したトラブルの内容と件数推移について、政府が把握している範囲で示されたい。

三 前記二について、PTAと学校もしくは保護者間でトラブル等に発展した場合、解決に向けた相談先として望ましい行政機関はあるか。

四 前記二について、トラブルそのものが当該学校に通う子どもへ悪影響や不利益を及ぼすおそれがあり、「児童生徒の健やかな育成のために学校と家庭と地域の連携を強化していく」というPTAの本来の目的を損なう事態も想定される。このような事が起きないよう、PTA運営について各種トラブルを抑制する目的で政府がPTAの在り方や運営での注意点等何らかの見解を示す必要があると考えるが、政府の見解如何。

 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、転送から七日以内での答弁は求めない。国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内には答弁されたい。

  右質問する。