質問主意書

第211回国会(常会)

質問主意書

質問第九号

外国人による我が国の島嶼買収の実態に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和五年二月九日

神谷 宗幣


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   外国人による我が国の島嶼買収の実態に関する質問主意書

 私は、昨年より「外国資本による国土買収の実態把握に関する質問主意書」(第二百九回国会質問第一六号)及び「「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律」に関する質問主意書」(第二百十回国会質問第二二号)を提出するなど、外国資本による我が国土買収に大きな懸念を抱いている。

 そうした中、中国のメディア「紅星独家」は本年二月三日、日本の小さな島を購入した中国人女性に対するインタビュー記事を掲載している。「話題殺到、七十万平方メートルの日本の小さな島を買った中国人:海の美しさをみんなと共有したいだけ」と題する当該記事によると、日本の島を購入した女性は「張」という姓で、山東省青島出身の三十四歳、女性の実家は「不動産や金融業を主として、二〇一四年以降に飲食店を起業した」と報じている。また、島の購入は「会社で購入したもので、用途はビジネスに限定されていない。島全体の所有権証(ママ)は九百十七筆、会社が購入したのは七百二十筆で、残りは隣村や民間のものである。契約日は二〇二〇年十二月二十四日、二〇二一年二月二日に七百二十筆全ての権利証の移転登記が完了した」と述べている。

 さらに、中国メディア「環球網」は二月六日、日本ニュースメディアの記事を引用し、当該島について、女性が投稿した画像などから、この島が沖縄県最大の無人島「屋那覇島」ではないかとの見方が拡がっている一方で、日本では、中国人による土地買収への警戒論も背景に問題視する意見も出ていると報じた。

 こうした土地買収への警戒論の背景として、中国には、「公民は、平和時においても法律にもとづき、国防動員準備工作を遂行させなければならない(国防動員法第五条)」あるいは「いかなる組織、公民も法律に基づいて、国家情報工作に協力し、知り得た国家情報秘密は保護しなければならない(国家情報法第七条)」などの、我が国には存在しない法律があり、中国公民はこうした義務の遂行を拒否できない立場にあることが指摘されている。

 以上を踏まえて、以下質問する。

一 政府は、右記事の内容について、内容をどのように把握し、どのような問題点があると評価しているのか、示されたい。

二 記事によると、買収された島は、沖縄県島尻郡伊是名村の無人島「屋那覇島」とみられる。このように、外国人が我が国やとりわけ沖縄県など南西諸島に所在する離島、無人島の島全体あるいはその一部について、所有または借地、占有しているケースは他にあるのか、示されたい。

三 沖縄周辺の無人島が前記「国防動員法」上の義務を負わされた中国国民に買収されることで、台湾有事の際など、安全保障上想定される問題について、明らかにされたい。また、今回の事案を含め同様の事案について、政府はいかなる対応をしていくのか、具体的に示されたい。

  右質問する。