質問主意書

第210回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二一〇第五八号
  令和四年十二月十六日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員神谷宗幣君提出メガソーラー事業によって引き起こされる森林の乱開発・土石流を防ぐための方策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員神谷宗幣君提出メガソーラー事業によって引き起こされる森林の乱開発・土石流を防ぐための方策に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「メガソーラー事業を推奨するに当たり、森林の乱開発を防ぐため、また、土石流が発生する危険を防止するために、具体的にどのような施策をしてきたか」については、再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(平成二十三年法律第百八号)第九条第四項の再生可能エネルギー発電事業計画の認定に当たって、当該認定の申請に係る発電事業者において森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)、宅地造成等規制法(昭和三十六年法律第百九十一号)、砂防法(明治三十年法律第二十九号)等の関係法令を遵守することを確認しているところであり、また、発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令(令和三年経済産業省令第二十九号)第五条において、発電用太陽電池設備の設置者は、「支持物を土地に自立して施設する場合には、施設による土砂流出又は地盤の崩壊を防止する措置を講じなければならない」こととしているところである。

 お尋ねの「今後、どのような対策が必要と考えているか」については、令和四年十月に公表された、経済産業省、農林水産省、国土交通省及び環境省が同年四月から十月までに開催した「再生可能エネルギー発電設備の適正な導入及び管理のあり方に関する検討会」の提言を踏まえ、再生可能エネルギーの導入拡大に伴う地域における安全確保への懸念を解消するため、必要な措置を検討してまいりたいと考えている。

二について

 お尋ねの「このような砂防指定地とすべきと考えられる地域」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。なお、国土交通大臣による砂防指定地(砂防法第二条の規定により指定された土地をいう。以下同じ。)の指定に当たっては、都道府県知事が、砂防指定地として指定すべきと考えられる土地の区域に係る情報を把握した上で、「砂防指定地指定要綱について」(平成元年九月十二日付け建設省河砂発第五十八号建設省河川局長通達)に基づき当該区域の指定について同大臣に進達し、同大臣は、これを踏まえ、砂防設備の設置又は一定の行為の禁止若しくは制限を行うことが必要な土地の区域を同条の規定に基づき指定しているところである。

三について

 砂防指定地の指定の手続については二についてで述べたとおりであるところ、御指摘の点については、現状、都道府県知事が、砂防指定地の指定に際し勘案すべき土地の地形、地質等や他法令等に基づく土地利用に係る規制の状況といった地域の実情に精通していることから、都道府県知事に対し国土交通大臣に進達することを求めているものであり、引き続き、当該進達を踏まえ、同大臣において砂防設備の設置又は一定の行為の禁止若しくは制限を行うことが必要な土地の区域を指定してまいりたいと考えている。