質問主意書

第210回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二一〇第四七号
  令和四年十二月九日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員倉林明子君提出生活保護における世帯認定に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員倉林明子君提出生活保護における世帯認定に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねについては、生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第十条において、保護は、世帯を単位としてその要否及び程度を定めるものとし、これにより難いときは、個人を単位として定めることができるとされており、「生活保護法による保護の実施要領について」(昭和三十八年四月一日付け社発第二百四十六号厚生省社会局長通知)第一の五においては、「生業扶助の対象とならない専修学校又は各種学校で就学する場合であって、その就学が特に世帯の自立助長に効果的であると認められる場合」は、「世帯分離して差しつかえない」と示しているところである。

二について

 お尋ねの「世帯全体の要保護性要件」の意味するところが必ずしも明らかではないが、大学等に就学する者を「世帯分離」して差し支えないこととしているのは、大学等への就学が特に本人や世帯の自立助長に効果的であることを踏まえ、一定の場合には、大学等に就学する者を当該世帯から分離して当該世帯とは別の世帯を構成しているとみなすことにより、引き続き当該世帯との同居を続けながら大学等に就学できるようにする趣旨であることから、お尋ねの場合においては、当該大学等に就学する者を除いた世帯で保護の要否を判断することができることとしている。

三について

 お尋ねについては、御指摘の「正看護師資格取得のために看護学校に就学している場合」の具体的な状況が明らかではないため、一概にお答えすることは困難である。

四について

 お尋ねについては、「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」(昭和三十八年四月一日付け社保第三十四号厚生省社会局保護課長通知)第一の問八の回答において、「一旦世帯分離を行った場合であっても、その後の事情の変更により、世帯分離の要件を満たさなくなった場合には、世帯分離を解除し、世帯を単位として保護の要否及び程度を決定することとなる」と示しているところである。

五について

 お尋ねについては、生活保護法第二十六条において、保護の実施機関(同法第十九条第四項に規定する保護の実施機関をいう。)は、書面をもって、保護の停止又は廃止を決定したことを被保護者に通知しなければならないとされている。