質問主意書

第210回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二一〇第四六号
  令和四年十二月九日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員羽田次郎君提出御嶽山の国定公園、国立公園化に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員羽田次郎君提出御嶽山の国定公園、国立公園化に関する質問に対する答弁書

一について

 御嶽山については、「国立公園及び国定公園の候補地の選定及び指定要領」(平成二十五年五月十七日付け環自国発第一三〇五一七一号環境省自然環境局長通知別添。以下「要領」という。)に記載された国定公園の候補地に係る要件を満たしていると考えているが、お尋ねの「御嶽山が国定公園になる上で、今後改善しなくてはならない課題」については、環境省及び関係県において、国定公園の指定に向け、御嶽山の景観要素や社会状況等の詳細な調査、詳細な区域等の検討、関係行政機関との調整等を実施することとしており、これらを通じて明らかになるものと考えている。

二について

 環境省としては、御嶽山が国立公園に指定されるためには、まずは、「同一の風景型式中、我が国の風景を代表するとともに、傑出した自然の風景を有する」等の要領に記載された要件が満たされていることが必要であると考えている。

三について

 御指摘の「御嶽山の安全な利用のため」の「噴火の際のシェルター(避難所)の設置など」の「施設の整備」については、現在、御嶽山周辺の地方公共団体等において、御嶽山周辺の地方公共団体や火山専門家等により構成される御嶽山火山防災協議会での検討を踏まえ、適切に進められているものと承知している。また、御嶽山周辺で退避壕(ごう)その他の退避施設の整備を進める地方公共団体に対しては、消防庁において、これに要する費用の一部補助を行うとともに、内閣府及び同庁から、退避壕その他の退避施設の効果的・効率的な整備のための考え方を記した「活火山における退避壕等の充実に向けた手引き」(平成二十七年十二月内閣府(防災担当)作成)を提供しているところである。このため、現状においては、お尋ねのように「噴火の際のシェルター(避難所)の設置など」の「施設の整備」を国で行う必要があるとは考えていない。

四について

 気象庁地震火山部火山監視課火山監視・警報センターにおいて、地震計、監視カメラ、地殻の変形を観測するGNSS観測装置、傾斜計、空振計、地磁気観測装置及び火山ガス観測装置といった同庁が御嶽山に設置した火山観測機器からデータを収集するとともに、地方公共団体、国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学及び国立研究開発法人防災科学技術研究所が設置した火山観測機器からのデータも入手しながら、御指摘の「水蒸気噴火の兆候」を含めて御嶽山の火山活動を常時観測・監視している。