質問主意書

第210回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二一〇第三六号
  令和四年十一月二十二日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出在外投票の実態に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出在外投票の実態に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねについて、第四十九回衆議院議員総選挙における小選挙区選出議員の選挙において、在外選挙人名簿に登録されている選挙人のうち投票を行ったものの割合は二十・一〇パーセント(速報値)、同総選挙における比例代表選出議員の選挙において、当該選挙人のうち投票を行ったものの割合は二十・二四パーセント(速報値)である。また、第二十六回参議院議員通常選挙における選挙区選出議員の選挙において、在外選挙人名簿に登録されている選挙人のうち投票を行ったものの割合は二十一・八五パーセント(速報値)、同通常選挙における比例代表選出議員の選挙において、当該選挙人のうち投票を行ったものの割合は二十一・九八パーセント(速報値)である。なお、御指摘の「海外に滞在する有権者総数(十八歳以上の在外邦人)」のうち投票を行ったものの割合については、「海外に滞在する有権者総数(十八歳以上の在外邦人)」を政府として把握していないため、お答えすることは困難である。

二について

 「在外邦人の低い投票率について、政府はどのような対策を行ったか。」とのお尋ねについては、国政選挙が実施される際には、総務省及び外務省のホームページや広報誌、在外公館からの在外邦人向け電子メールを通じた広報等を通じて投票の方法等について周知しているほか、候補者や政党の情報についても、公示日以後直ちに総務省のホームページに掲載している。

 また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う現地政府による移動制限措置等があること、遠隔地に居住していること等により、在外公館に出向いて在外投票を行うために必要となる在外選挙人名簿への登録申請をすることが困難な在外邦人が存在することを踏まえ、在外邦人の利便性の向上を図るため、令和四年四月、在外公館への来館が困難な場合には、在外公館に申請書を郵送又は電子メールを送信した上で、映像と音声の送受信により本人確認を行い、登録申請を行う取扱いができるように運用を開始したところである。

 こうした取組による投票率の向上に関して、お尋ねのような「どの程度の効果を発揮したか」について把握することは困難であるが、同年七月十日に執行された第二十六回参議院議員通常選挙における選挙区選出議員の選挙において、在外選挙人名簿に登録されている選挙人のうち投票を行ったものは約二万二千人、その割合は二十一・八五パーセント(速報値)、同通常選挙における比例代表選出議員の選挙において、当該選挙人のうち投票を行ったものは約二万二千人、その割合は二十一・九八パーセント(速報値)となっているところ、令和元年七月二十一日に行われた第二十五回参議院議員通常選挙における選挙区選出議員の選挙において、在外選挙人名簿に登録されている選挙人のうち投票を行ったものは約二万千人、その割合は二十・七三パーセント、同通常選挙における比例代表選出議員の選挙において、当該選挙人のうち投票を行ったものは約二万千人、その割合は二十・九四パーセントとなっている。

三について

 お尋ねの「在外邦人の投票機会の保障」に関する「政府の認識」については、在外選挙人名簿に登録されている選挙人は、公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第四十九条の二第一項第一号に規定する在外公館等における在外投票(以下「在外公館投票」という。)、同項第二号に規定する郵便等による在外投票及び日本国内における投票を行うことができるところ、在外公館投票を行う期間は、当該選挙人の投票機会の確保にも配慮しながら、投票用紙の安全かつ確実な送致の確保を考慮して設定しているものであり、今後とも在外公館投票を行う機会をできるだけ確保するよう最大限の配慮を行ってまいりたい。