質問主意書

第210回国会(臨時会)

質問主意書

質問第六七号

PFOS等の流出に対する抜本的対策の必要性に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和四年十二月八日

牧山 ひろえ


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   PFOS等の流出に対する抜本的対策の必要性に関する質問主意書

 在日米軍基地において、有機フッ素化合物(PFOS等)の流出が相次いでいる。政府は、在日米軍基地におけるPFOS等を含む製品の安全管理に万全を期し、基地周辺住民の安全・安心に資するため、万全の対策を早急に取る必要がある。

一 流出の原因が明らかになっていない事案については、最優先で早急な原因究明を行い、原因に応じた具体的な対策を講じるべきと考えるが、政府の方針を示されたい。

二 高濃度のPFOS等が検出された基地周辺への影響について正しい情報発信を積極的に行うこと等により、基地周辺住民の安心に資する取組を強化するとともに、風評被害の防止に努めるべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

三 在日米軍基地におけるPFOS等を含む製品の在庫及び使用履歴、そして管理状況について、米側から情報提供を受けているか。情報提供を受けていない場合には情報提供と併せて当該情報の公表の許諾を米側に求めるべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

四 本年六月三十日、横須賀基地の排水処理施設の排水から政府が定める暫定目標値を超えるPFOS等が検出された。七月の調査でも同じ数値が検出され、八月は暫定目標値の百七十一倍、九月は二百五十八倍となった。

 米軍は「原因の特定には至っていない」としているが、十一月一日、排水処理施設にPFOS等を吸着する効果があるとされる粒状活性炭を用いたフィルターを設置した。

 このフィルターは、PFOS等の有害物質をどの程度除去する効果があるのか。また、除去した分量を測定することは可能か、政府の認識を示されたい。

五 横須賀基地のように高濃度の流出が常態化しているケースでは、風評被害を避けるために海産物等に対する汚染調査を政府の責任で行うべきと考えるが、政府の方針を示されたい。

六 風評被害を含め、一連の流出事故により被害が生じた場合には、万全の補償措置を講じるべきと考えるが、政府の方針を示されたい。

七 在日米軍基地で働く駐留軍等労働者には、過去に泡消火剤を扱った従業員などもおり、今も不安を抱えたまま勤務を続けている。政府はこれらPFOS等を使用してきた従業員への不安解消に必要な措置を講じるべきと考えるが、政府の方針を示されたい。

八 前記七の一環として、このような健康・衛生上の問題に関しては、同種のリスク要因との接触があった米軍人に対するケアと同様の措置、例えば特別健康診断の受診等を、駐留軍等労働者に対しても行うことを原則とすべきと考えるが、政府の見解如何。

  右質問する。