質問主意書

第210回国会(臨時会)

質問主意書

質問第六五号

環境省に設置が予定されるPFOS対策の専門家会議に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和四年十二月八日

牧山 ひろえ


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   環境省に設置が予定されるPFOS対策の専門家会議に関する質問主意書

 各地の米軍基地周辺などで検出が続く有機フッ素化合物(PFAS)の一種である「PFOS」について、西村明宏環境大臣は、本年十二月二日の記者会見で、年明け以降に専門家会議を設置し、健康影響や水質管理の目標値について議論すると明らかにした。PFOSは泡消火剤などに含まれ、発がん性が疑われるなど、人体に有害な可能性がある。

 しかし現状、水道水や河川などのPFAS濃度の評価については、国は「暫定」の指針値や目標値を示すにとどまっていて、はっきりとした基準が存在していない。「「暫定」のままでは、行政が思い切った調査に乗り出せない要因になっている」との有識者の指摘もあったこともあり、まずは国がPFASについての明確な基準を示すことが重要だと考える。その点で今回の専門家会議の設置については一定の評価をした上で、以下質問する。

一 PFOSは、どのように体内に取り込まれるのか。例えば、飲料なのか皮膚からの吸収がないのか。そして人体にはどの程度の量や濃度でどのような影響を及ぼすのか。科学的知見を深めるべきと考えるが政府の見解如何。

二 科学的知見の探究は継続的に推進すべきと考えるが、今後行われる基準値の設定に際して科学的知見が不分明な場合、あり得べき健康損害を想定した厳しい値を設定すべきと考えるが政府の見解を明らかにされたい。

三 今後設置される専門家会議においては、近時各地でPFOSの検出が相次いでいることを踏まえ、汚染源との因果関係の調査を行うべきと考えるが、政府の方針を明らかにされたい。

  右質問する。