質問主意書

第210回国会(臨時会)

質問主意書

質問第五五号

昆虫食とエビ・カニに対するアレルギーの注意喚起の必要性に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和四年十二月六日

浜田 聡


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   昆虫食とエビ・カニに対するアレルギーの注意喚起の必要性に関する質問主意書

 徳島県小松島市にある県立小松島西高校は、令和四年十一月二十八日、給食「カボチャコロッケ」に、食用コオロギのパウダーが練り込まれたものを提供した。「想像以上においしかった。生徒は柔軟でコオロギを受け入れていた」という声もあり、おおむね好評であったという。コオロギは、タンパク質の生産効率が高く、飼育の際の環境負荷が小さいとされており、この取組自体は歓迎されるべきであろう。

 ただし、ここで注意すべきは、エビやカニに対してアレルギーを持つ人は、昆虫に対してもアレルギー反応を起こすことがあまり知られていないことである。日本バイオコン株式会社が発売しているコオロギパウダーには「近縁種のエビやカニなど甲殻類と類似成分を含むため、エビやカニのアレルギーを持つ方は摂取によりアレルギー症状を起こす可能性があります。」という表示はあるが、この表示はあくまでも任意表示にとどまっている。

 令和三年版科学技術・イノベーション白書内「コラム二―二 昆虫が世界を救う!?」にも、特に昆虫に対するアレルギーに関する記述はない。

 右を踏まえて、以下質問する。

一 昆虫が「食品表示基準について(平成二十七年三月三十日消食表第百三十九号)」内「別添 アレルゲンを含む食品に関する表示」に定められている「特定原材料」の七品目と、「特定原材料に準ずるもの」の二十一品目に含まれていないのはなぜか。

二 政府は、米国食品医薬品局がツイッターを用いて、外国において、エビやカニのアレルギーを持つ人に対して「昆虫を食べないでください」と呼びかけていることを認識しているか。

三 徳島県立小松島西高校では、コオロギ入りのカボチャコロッケを食べるかどうかは選択制だったが、その理由は、報道によれば「昆虫食に抵抗があるか否か」であった。今後、徳島県立小松島西高校の事例を参考にし、他の学校でも昆虫を給食として提供する学校もあろうが、昆虫食に抵抗はないがエビやカニに対しアレルギーを持っている児童が昆虫を食べて、アレルギー反応を起こしては一大事である。政府は、給食を提供する学校に対し、エビやカニのアレルギーを持つ人に昆虫の提供を差し控えるよう呼びかけるべきではないか。政府の見解如何。

 なお、本質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、転送から七日以内での答弁は求めない。国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内には答弁されたい。

 右質問する。