質問主意書

第210回国会(臨時会)

質問主意書

質問第三八号

在外国民審査に関する最高裁違憲判決の趣旨に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和四年十一月十日

牧山 ひろえ


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   在外国民審査に関する最高裁違憲判決の趣旨に関する質問主意書

 二〇二二年(令和四年)五月二十五日、最高裁判所大法廷は、最高裁判所裁判官の国民審査について、最高裁判所裁判官国民審査法が在外国民に審査権の行使を認める規定を欠いていることは、憲法第十五条第一項、第七十九条第二項及び第三項に違反するとする判決を言い渡した。立法府の立法不作為により国が国家賠償法上の賠償責任を負うことを認めた画期的な違憲判決である。

 最高裁判決では、憲法は選挙権と同様に国民審査の権利を平等に保障しており、権利を制限することは原則として許されず、制限にはやむを得ないと認められる事由がなければならないとした。その上で、立法措置がなされていない状況が続いていたことは在外国民の憲法上の権利を侵害している立法不作為は明らかであると判示した。

一 「「在外ネット投票でしか投票できない有権者」の存在に関する質問主意書」において示したように、在外公館投票及び郵便投票ができない国に住んでいるため、憲法上の権利である選挙権を理論上行使できない有権者が存在し、その状況は長期間継続している、という事実関係を政府は認めるか。

二 総務省の有識者会議は四年以上前に在外ネット投票導入を提言している。導入可能な解決策の提示を受けながら、「在外投票が不可能な有権者」を放置していることも、同じ「立法不作為」になる可能性があるのではないか。政府の見解を伺う。

  右質問する。