質問主意書

第210回国会(臨時会)

質問主意書

質問第二九号

新型コロナワクチンの予防接種健康被害給付に係る予算の積算根拠等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和四年十月二十七日

山本 太郎


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   新型コロナワクチンの予防接種健康被害給付に係る予算の積算根拠等に関する質問主意書

 新型コロナウイルスに係るワクチン(以下「新型コロナワクチン」という。)の接種は、予防接種法に基づく臨時の予防接種として実施されているため、接種を受けた者については、同法に基づく健康被害救済制度の対象となる。同制度では、予防接種法に基づく予防接種を受けた者に健康被害が生じた場合、その健康被害が接種を受けたことによるものであると厚生労働大臣が認定したときは、市町村が、医療費や障害年金、死亡一時金等を給付することとされており、例えば死亡一時金については四千四百二十万円を給付することとされている。

 同制度に関し、令和四年十月十七日に開催された第百五十二回疾病・障害認定審査会感染症・予防接種審査分科会の資料では、同日時点で新型コロナワクチンに係る健康被害救済について計九百九十六件の認定が行われたとされている。また、死亡一時金については、同日の審議で新たに一件が認定され、同日までに計四件の認定が行われたとされている。

 この新型コロナワクチンの予防接種健康被害給付に係る予算については、令和三年度予算において約三・六億円、令和三年度補正予算において約二十一・六億円、令和四年度予算において約三・六億円が計上されている。

 新型コロナワクチンの接種は、我が国の予防接種行政史上、類を見ない規模で行われており、同ワクチンの接種に係る健康被害救済制度の適用実績や、同制度に係る予算積算の根拠を国民に広く示すことは、国民に同ワクチンの接種に係る正確な理解を促し、かつ、今後の予防接種行政の在り方を検討する上で極めて重要であると考える。

 以上の観点から以下質問する。

一 令和三年度における新型コロナワクチン接種に係る健康被害救済制度に基づく給付総額及び給付内容ごとの給付総額を政府は把握しているのか。把握しているのであれば、その実績を示されたい。また、現時点で給付総額を把握していないのであれば、今後給付総額が確定した段階でその実績を公表すべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。

二 新型コロナワクチンについては、接種開始前の時点において開発中の段階であり評価が確定できないことや、実使用実績が乏しい中で接種を実施していくことを踏まえれば、予防接種の安全性や有効性等についての情報量に制約が生じる可能性があることなどから、接種を受ける努力義務や接種勧奨を適用する対象者について、政令でその適用を除外することができるとされている。新型コロナワクチンの接種については、接種当初からこうした特殊な事情を踏まえた対応が行われてきたところ、前述の令和三年度以降の予防接種健康被害給付に係る予算の積算根拠を示されたい。

  右質問する。