質問主意書

第210回国会(臨時会)

質問主意書

質問第二〇号

外国の利益になる不当な情報操作を防ぐための法整備に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和四年十月二十四日

神谷 宗幣


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   外国の利益になる不当な情報操作を防ぐための法整備に関する質問主意書

 二〇一九年八月三十一日付け産経新聞は、中国共産党傘下の英字新聞「チャイナ・デーリー」系の政治宣伝紙「チャイナ・ウォッチ」が米アイオワ州の地元紙の折り込みとして「トランプ大統領の対中政策のせいで同州の農家が苦境に追いやられている」といったプロパガンダ記事を掲載、配布したことが米議会で問題になったと報じている。

 これに関して、米国では、外国の利益になる不当な情報操作を防ぐために「自国政府を代弁する広報活動を行う代理人」については外国代理人登録法(Foreign Agents Registration Act)に基づいて登録を義務付けており、「チャイナ・デーリー」についても、一九八三年、米司法省によって外国代理人登録法に基づいて「外国代理人」であると認定し、登録を義務付けている。

 また、この外国代理人登録法と同等の法的効果を持つものとして、豪州では二〇一八年、外国からの政治献金禁止や、外国政府のために活動する人物や団体に対し、豪州政府への登録を義務付けることなどを定めた「外国影響力透明化法(Foreign Influence Transparency Scheme Bill)」が成立している。

 我が国においても、こうした外国による不当な情報操作を防ぐために、「外国代理人登録法」のような法整備が必要と考えられる。

 そこで、以下質問する。

一 我が国ではこれまで、政府内で外国代理人登録法あるいは外国影響力透明化法と同等の効果を持つ法整備について検討がなされたことはあるか。検討がなされたことがあるのであれば、その状況について明らかにされたい。

二 我が国における外国代理人登録法あるいは外国影響力透明化法と同等の効果を持つ法整備の必要性に関する政府の認識及び今後の方針について明らかにされたい。

  右質問する。