質問主意書

第210回国会(臨時会)

質問主意書

質問第一六号

国葬のルールの策定についての岸田政権の見解等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和四年十月六日

小西 洋之


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   国葬のルールの策定についての岸田政権の見解等に関する質問主意書

 岸田総理は本年十月五日の衆議院本会議において、「国葬儀の実施に関するルールの策定についてお尋ねがありました。今回の安倍元総理の国葬儀に対して、国民の皆様や各党各会派から様々な御意見、御批判をいただいたことは真摯に受け止めなければならないと考えております。今後、国民のより幅広い理解を得て国葬儀を実施することができるよう、政府としては、今回の国葬儀について検証を行うこととしております。まずは、幅広い有識者の方々から御意見を伺い、国葬儀について論点と意見を整理することから始めます。できる限り早期にその整理をお示しした上で、今後、内閣総理大臣経験者の国葬儀の実施については、国会との関係など、どのような手順を経るべきなのか、一定のルールを設けることを目指します。その際、政府のお示しする整理を素材として、与党はもちろん、国会においても、党派を超えて御議論いただき、国民各層の幅広い御理解を得ることができるよう努めてまいります。」と答弁している。

 これについて、以下質問する。

一 岸田総理は、本年九月八日の議院運営委員会において、「内閣総理大臣経験者の葬儀を行うに当たって具体的な基準を決めるべきではないかという議論があるということ、これは承知をしています。ただ、一つの功績、一つの行為を取ってみても、これは国際社会あるいは国内のこの政治情勢によって評価は大きく変わることになります。同じこの功績、行為であっても、五十年、六十年前のこの国際社会の中でどう評価されたのか、これは変わってくるわけであります。よって、これを事前に、具体的に、定数的に基準を決めるというのはなかなか難しいと考えております。よって、内閣総理大臣経験者のこの葬儀の在り方については、これまでも、その時のこの内閣において様々な事情を総合的に勘案し、その都度ふさわしい形を判断してきたということであります。そして、今回もそうした考えに基づいて判断をしたわけでありますが、今後とも、こうした、その都度適切な判断を時の内閣が責任を持って判断をしていくというのがこの内閣総理大臣経験者の葬儀のありようではないかと認識をいたします。」と答弁しているが、政府としてこの答弁の内容を政府の見解として今でも維持しているのか。

二 「今後、内閣総理大臣経験者の国葬儀の実施については、国会との関係など、どのような手順を経るべきなのか、一定のルールを設けることを目指します。」について、ここでいう一定のルールには、内閣総理大臣経験者の葬儀を行うに当たってそれを国葬儀とすべきかどうかについての具体的な判断基準(あるいは、国葬儀とするための要件基準)は含まれていないと理解してよいか。

三 「今後、内閣総理大臣経験者の国葬儀の実施については、国会との関係など、どのような手順を経るべきなのか、一定のルールを設けることを目指します。」について、政府としてどのような「手順」たる「ルール」が存在すべきと考えているのか。

四 「今回の安倍元総理の国葬儀に対して、国民の皆様や各党各会派から様々な御意見、御批判をいただいたことは真摯に受け止めなければならないと考えております。」における「御批判」には、当該国葬儀を実施するに際して国会に対して何らの承諾などを得ることもなく、国会を無視して内閣だけで実施したことに関する国民や各党各会派からの批判も含まれるのか。

  右質問する。