質問主意書

第210回国会(臨時会)

質問主意書

質問第八号

国葬の定義等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和四年十月四日

小西 洋之


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   国葬の定義等に関する質問主意書

 政府は、憲法関係答弁例集(天皇・基本的人権・統治機構等関係)(平成二十九年十月 内閣法制局)の第四百八十八ページの「二 国葬」において、「しかし、特定の法律がないからといって、国葬を行うことが許されないとみるのは当たらない。けだし、そもそも、国葬とは、国の意思により国費をもって、国の事務として行う葬儀をいうものと解する限り将来にわたって一定の条件に該当する人の葬儀は必ず国葬とすると定めることについては、法律を要するが、個々の場合に事実上これを行うことは、別段法律の根拠を必要とするとはいえないからである。」としている。

 これに関係して、以下質問する。

一 この憲法関係答弁例集にある国葬は過去二件の政府が実施した国葬儀と同じ意味のものなのか。一般に政府として、いわゆる国葬をどのようなものと考えているのかを示すとともに、それと過去二件の国葬儀との関係について示されたい。

二 「国葬とは、国の意思により国費をもって、国の事務として行う葬儀をいうものと解する限り将来にわたって一定の条件に該当する人の葬儀は必ず国葬とすると定めることについては、法律を要する」について、なぜ、このような場合には法律を要すると考えているのかについて政府の見解を示されたい。

三 「国葬とは、国の意思により国費をもって、国の事務として行う葬儀をいうものと解する限り(中略)個々の場合に事実上これを行うことは、別段法律の根拠を必要とするとはいえないからである。」について、なぜ、このような場合には法律の根拠を要しないと考えているのか、また、この場合は閣議決定を根拠とすることになると考えているのかについて政府の見解を示されたい。

四 政府の考える国葬儀の定義を示した上で、この度の安倍元総理の国葬儀のように国民に弔意の表明を求めない国による葬儀が国葬儀として成り立ちうるものなのかについて政府の見解を示されたい。

五 岸田総理は、国葬儀(国葬)に関する法律の制定について否定的な見解を述べているが、その理由を示すとともに、佐藤榮作政権を含む公式制度連絡調査会議においては国葬には法律の制定が望ましい旨の見解が示され、国葬に関する法律の制定の検討のための内閣提出法案たる公式制度調査会議設置法案の作成と国会提出の検討まで行っていたこれら従前の政府の見解となぜ異なる見解を有しているか、また、そうした見解の差異があるにもかかわらず、岸田政権の見解が正当であると考える理由について説明されたい。

  右質問する。