質問主意書

第209回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二〇九第二二号
  令和四年八月十五日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員小西洋之君提出安倍元総理に国葬儀を行う理由等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小西洋之君提出安倍元総理に国葬儀を行う理由等に関する質問に対する答弁書

一について

 安倍内閣(当時)においては、憲法第五十三条の規定に基づき臨時会の召集を適切に決定してきたところであり、「憲法第五十三条に違反して臨時国会の召集要求を無視して」との御指摘は当たらないため、それを前提としたお尋ねについてお答えすることは困難である。

二、三、五及び七について

 元内閣総理大臣の葬儀の在り方については、これまでも、その時々の内閣において、様々な事情を総合的に勘案し、その都度ふさわしい形を判断してきたところであり、御指摘のような個別具体的な政策における特定の「実績」、「国際的な評価」及び「幅広い哀悼、追悼の意」といった特定の観点のみをもって判断しているものではなく、また、それらの観点から、個別の元内閣総理大臣と比較して、「国葬儀に値する」、「国葬儀を行う必要があると考えるほどに卓越した」又は「国葬儀で追悼しなければならない理由となる」と評価して判断すべき性質のものではないと考えている。その上で、安倍元内閣総理大臣の葬儀を国葬儀の形式で行うこととした考え方については、令和四年七月十四日の記者会見において、岸田内閣総理大臣が「安倍元総理におかれては、憲政史上最長の八年八か月にわたり、卓越したリーダーシップと実行力をもって、厳しい内外情勢に直面する我が国のために内閣総理大臣の重責を担ったこと、東日本大震災からの復興、日本経済の再生、日米関係を基軸とした外交の展開等の大きな実績を様々な分野で残されたことなど、その御功績は誠にすばらしいものであります。外国首脳を含む国際社会から極めて高い評価を受けており、また、民主主義の根幹たる選挙が行われている中、突然の蛮行により逝去されたものであり、国の内外から幅広い哀悼、追悼の意が寄せられています。こうした点を勘案し、この秋に国葬儀の形式で安倍元総理の葬儀を行うことといたします。」と述べているとおりである。

四について

 安倍元内閣総理大臣の葬儀を国葬儀の形式で行うこととした考え方については、二、三、五及び七についてで述べたとおりであり、その上で、御指摘の岸田内閣総理大臣の発言は、「国葬儀を執り行うことで、安倍元総理を追悼する」ということを述べるとともに、国葬儀を通じて、「我が国は、暴力に屈せず民主主義を断固として守り抜くという決意を示して」いくこと及び「活力にあふれた日本を受け継ぎ、未来を切り拓いていくという気持ちを世界に示してい」くことを述べたものである。

六について

 政府としては、故安倍晋三国葬儀の実施の考え方について、令和四年七月十四日の記者会見において岸田内閣総理大臣が述べたところであり、「安倍元総理を国葬儀で追悼しなければならないことを具体的に示す理由がない」との御指摘は当たらないと考えているが、故安倍晋三国葬儀の実施について国民の理解が更に得られるよう、これからも丁寧に説明する努力を続けてまいりたいと考えている。