質問主意書

第209回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二〇九第二一号
  令和四年八月十五日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員小西洋之君提出岸田政権における新型コロナウイルスワクチンの追加接種についての対応に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小西洋之君提出岸田政権における新型コロナウイルスワクチンの追加接種についての対応に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 御指摘の「新型コロナウイルス感染症の現在の感染急拡大(第七波)」については、様々な要因が考えられることから、御指摘の「若年層に対する三回目接種」との関係について、一概にお答えすることは困難であるが、政府としては、令和四年七月二十六日に首相官邸ホームページにおいて公表した十二歳以上四十歳未満の者(以下「若年層」という。)に係る新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の接種率について、当該予防接種における二回目の接種の接種率が約八割である一方、当該予防接種における三回目の接種(以下「三回目接種」という。)の接種率が約三割から約五割に留まっていることを踏まえ、若年層における三回目接種を推進するため、引き続き、若年層が接種しやすい環境の整備に取り組むとともに、同月及び同年八月を「ワクチン推進強化月間」とし、関係省庁から所管する業界団体等に対して、若年層への三回目接種の呼び掛けを行っていただくよう要請しているところである。

三について

 新型コロナウイルス感染症に係る予防接種における四回目の接種(以下「四回目接種」という。)については、三回目接種を終えた時点から五箇月以上の間隔をおいて行う必要があることから、四回目接種の接種率は今後更に上昇していくものと考えられるが、四回目接種の実施を徹底するため、都道府県等に対して、「高齢者施設等における新型コロナウイルス感染症に係る予防接種(四回目接種)に係る実施の徹底と進捗状況の実態調査②への依頼について」(令和四年八月一日付け厚生労働省健康局予防接種担当参事官室並びに老健局高齢者支援課、認知症施策・地域介護推進課及び老人保健課事務連絡)を発出し、高齢者施設等において三回目接種終了後から五箇月経過後速やかに四回目接種を実施するよう、最大限の努力を行うことや、高齢者施設等における入所者等に対する四回目接種の令和四年八月末及び九月末時点での見込みに関する調査の実施を依頼する等の取組を行っているところである。引き続き、より多くの方に四回目接種を受けていただけるよう取り組んでまいりたい。

四について

 四回目接種については、令和四年四月二十七日に開催された厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会における議論を踏まえ、重症化予防を目的として実施すること、また、その対象者は、新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの添付文書の記載等を踏まえ、「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施について(指示)」(令和三年二月十六日付け厚生労働省発健○二一六第一号厚生労働大臣通知。以下「大臣通知」という。)を改正し、「十八歳以上の者(十八歳以上六十歳未満の者にあっては、基礎疾患を有するものその他新型コロナウイルス感染症にかかった場合の重症化リスクが高いと医師が認めるものに限る。)」とすることとした。その後、令和四年七月頃から同感染症の新規感染者数が急速に増加するという感染状況の変化があったことから、四回目接種の感染予防効果は短期間であり、限定的との科学的知見に特段変わりはないものの、同月二十二日に開催された同分科会における議論を踏まえ、大臣通知を更に改正し、四回目接種の対象者のうち、十八歳以上六十歳未満の者について、「医療従事者等及び高齢者施設等の従事者」に拡大することとした。このように、政府としては、同感染症の感染状況や科学的知見等を総合的に勘案し、対応してきたところであり、今後も適時適切に対応してまいりたい。

五について

 いわゆる「オミクロン株対応ワクチン」を用いた新型コロナウイルス感染症に係る予防接種については、令和四年八月八日に開催された厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会における議論を踏まえ、同日、市町村等に対して、「オミクロン株に対応した新型コロナワクチンの接種体制確保について(その二)」(令和四年八月八日付け厚生労働省健康局予防接種担当参事官室事務連絡)を発出し、当該予防接種の実施体制の準備を依頼したところであり、引き続き、市町村等を含め、国民の皆様への分かりやすい情報発信に取り組んでまいりたい。