質問主意書

第209回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二〇九第二〇号
  令和四年八月十五日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員神谷宗幣君提出拉致被害問題の解決における特定失踪者の調査及び拉致問題啓発、生存者情報の確認に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員神谷宗幣君提出拉致被害問題の解決における特定失踪者の調査及び拉致問題啓発、生存者情報の確認に関する質問に対する答弁書

一の1について

 御指摘の「特定失踪者」とは、民間団体である「特定失踪者問題調査会」が独自に北朝鮮による拉致の可能性を調査の対象としている失踪者のことを意味するものと承知している。政府では、関係府省・関係機関において捜査・調査を進めている事案が、「特定失踪者」の事案に限られないことから、「北朝鮮による拉致の可能性を排除できない者」等の表現を用いている。

 警察が捜査・調査をしている北朝鮮による拉致の可能性を排除できない者の数は、令和四年八月五日現在で八百七十一名であり、捜査・調査をしている都道府県警察別にお示しすると、次のとおりである。

 北海道警察 八十五名

 青森県警察 九名

 岩手県警察 十一名

 宮城県警察 四名

 秋田県警察 四名

 山形県警察 八名

 福島県警察 十名

 警視庁 五十七名

 茨城県警察 九名

 栃木県警察 六名

 群馬県警察 三名

 埼玉県警察 二十四名

 千葉県警察 三十二名

 神奈川県警察 四十三名

 新潟県警察 四十四名

 山梨県警察 三名

 長野県警察 九名

 静岡県警察 十八名

 富山県警察 二十名

 石川県警察 三十名

 福井県警察 十名

 岐阜県警察 七名

 愛知県警察 二十二名

 三重県警察 六名

 滋賀県警察 五名

 京都府警察 十五名

 大阪府警察 六十四名

 兵庫県警察 三十六名

 奈良県警察 六名

 和歌山県警察 九名

 鳥取県警察 七名

 島根県警察 十名

 岡山県警察 十一名

 広島県警察 十三名

 山口県警察 二十一名

 香川県警察 七名

 愛媛県警察 十五名

 徳島県警察 九名

 高知県警察 六名

 福岡県警察 二十九名

 佐賀県警察 七名

 長崎県警察 十六名

 大分県警察 十二名

 熊本県警察 十二名

 宮崎県警察 十六名

 鹿児島県警察 三十七名

 沖縄県警察 三十四名

一の2について

 北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律(平成十四年法律第百四十三号)第二条第一項第一号の認定がされている拉致被害者(以下「認定拉致被害者」という。)の人数は十七名であるが、政府としては、これ以外にも北朝鮮による拉致の可能性を排除できない者が存在しているとの認識の下、拉致問題の全面解決に向けて、拉致被害者としての認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の安全確保及び即時帰国のために全力を尽くし、また、拉致に関する真相究明及び拉致実行犯の引渡しを引き続き追求していく考えである。

一の3について

 政府としては、認定拉致被害者以外にも北朝鮮による拉致の可能性を排除できない者が存在しているとの認識の下、国民の間に広く拉致問題についての関心と認識を深めるための啓発の取組を推進している。

二について

 個々の報道を前提としたお尋ねについて、政府としてお答えすることは差し控えたい。

三の1について

 外務省後援名義の使用の許可については、外務省における基準に基づき、事業ごとにこれを行っており、審査に要する一定の期間を想定して、受付期間を設けているところである。

三の2について

 外務省後援名義は、外務省設置法(平成十一年法律第九十四号)第四条第一項第十五号に定める海外事情についての国内広報その他啓発のための措置及び日本事情についての海外広報その他啓発のための措置として、外務省以外の団体が開催する講演会、展示会、博覧会、競技会、普及啓発活動及びその他事業に対して使用を許可するものであり、また、外務省後援名義等の使用許可申請に当たって事業の収支予算書及び事後の事業報告書の提出を求めているのは、申請者の事業運営能力及び事業の非営利性を確認するためであって、お尋ねの「半額補助」や「費用の支援」等は困難である。