質問主意書

第209回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二〇九第一七号
  令和四年八月十五日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員神谷宗幣君提出新型コロナワクチン接種の副反応および未成年者、子供への「接種機会提供」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員神谷宗幣君提出新型コロナワクチン接種の副反応および未成年者、子供への「接種機会提供」に関する質問に対する答弁書

一について

 新型コロナウイルス感染症に係る予防接種(以下「新型コロナ予防接種」という。)を受けたことによるものと疑われる症状については、予防接種法(昭和二十三年法律第六十八号)第十二条第一項の規定により、医師等から厚生労働大臣に報告されているほか、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号。以下「医薬品医療機器等法」という。)第六十八条の十第一項及び第二項の規定により、新型コロナ予防接種に使用するワクチン(以下「新型コロナワクチン」という。)の製造販売業者等から同大臣に報告されており、これらの制度により情報収集を行っている。また、予防接種法第十二条第一項及び第十四条第一項並びに医薬品医療機器等法第六十八条の十第一項及び第二項並びに第六十八条の十三第一項の規定に基づき、新型コロナ予防接種に関し、医師、製造販売業者等から報告され、独立行政法人医薬品医療機器総合機構において情報を整理し、調査が行われた全ての事例については、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(以下「合同部会」という。)において専門家の評価を受けた上で、定期的に厚生労働省ホームページで公表することとしている。

 さらに、御指摘の「治療に結びつけるための対策」の具体的に意味する範囲が必ずしも明らかではないが、新型コロナ予防接種を受けたことによるものと疑われる症状については、「新型コロナウイルスワクチン接種後の副反応を疑う症状に対する診療体制の構築について」(令和三年二月一日付け健健発〇二〇一第二号厚生労働省健康局健康課長通知。以下「課長通知」という。)を発出し、都道府県に対し、当該症状に対応する相談窓口の設置や医療体制の確保を依頼したところであり、全ての都道府県において相談窓口が設置され医療提供体制が構築されているものと承知している。

二について

 御指摘の「同社に治験データの開示を求める」の意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねに関し、ファイザー社のコミナティ筋注の特例承認の申請に当たっては、有効性及び安全性に関し必要なデータが厚生労働省及び独立行政法人医薬品医療機器総合機構に対して提出されており、また、新型コロナ予防接種を受けたことによるものと疑われる症状については、御指摘の同社の海外における情報も含め、同省及び同機構において新型コロナワクチンにおける必要な情報の収集及び調査を行い、定期的に開催している合同部会において提供し、専門家の評価を受けた上で、定期的に同省ホームページで公表することとしている。

三について

 御指摘の「月経異常」の意味するところが必ずしも明らかではないが、仮に月経に係る副反応を意味するものであるとすれば、これを含め、新型コロナ予防接種を受けたことによるものと疑われる症状については、厚生労働省及び独立行政法人医薬品医療機器総合機構において新型コロナワクチンにおける必要な情報の収集及び調査を行い、定期的に開催している合同部会において提供し、専門家の評価を受けた上で、定期的に同省ホームページで公表することとしている。具体的には、令和四年八月五日の合同部会において、新型コロナワクチンのうちコミナティ筋注に関しては、医師等からは、月経障害三件、月経遅延二件、重度月経出血三件、不規則月経四件及び無月経一件が報告されており、製造販売業者からは、希発月経一件、月経困難症十二件、月経障害八件、月経遅延二件、月経中間期出血二十四件、月経不快感一件、重度月経出血十二件、頻発月経三件、不規則月経六件及び無月経一件が報告されている。また、新型コロナワクチンのうちスパイクバックス筋注に関しては、医師等からは、月経困難症一件及び月経中間期出血一件が報告されており、製造販売業者からは、月経中間期出血二件及び重度月経出血二件が報告されている。なお、これらは重複して報告される場合がある。

 また、新型コロナ予防接種を受けたことによるものと疑われる症状については、一についてで述べたとおり、課長通知を発出し、都道府県に対し、当該症状に対応する相談窓口の設置や医療体制の確保を依頼したところであり、全ての都道府県において相談窓口が設置され医療提供体制が構築されているものと承知している。

四について

 「努力義務」に関するお尋ねについて、予防接種法第九条(同法附則第七条第二項の規定により適用する場合を含む。)の規定は疾病のまん延を予防するために可能な限り接種を受けていただきたいという趣旨に基づく努力義務を定めるものであり、対象者又はその保護者が同法に基づく予防接種を受けるか否かを判断するものである。また、五歳から十一歳までの者への同法附則第七条第一項の規定による新型コロナ予防接種は、医薬品医療機器等法による承認を受けた新型コロナワクチンについて厚生科学審議会において有効性及び安全性に関する議論を行った上で、当該者への新型コロナ予防接種の実施が新型コロナウイルス感染症のまん延予防のため必要であること、当該者への新型コロナ予防接種の有効性及び安全性に関する知見、諸外国における年少者への接種状況等を総合的に考慮し、当該者を対象として実施しているものである。