質問主意書

第209回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二〇九第二号
  令和四年八月十五日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員紙智子君提出北海道新幹線札幌延伸事業の事業費及び輸送密度に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員紙智子君提出北海道新幹線札幌延伸事業の事業費及び輸送密度に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「その他のトンネル」は羊蹄トンネルであり、また、お尋ねの「巨大な岩魂」については、鉛直方向の高さが十メートルを超える岩塊を把握している。さらに、お尋ねの「掘削作業」については、掘削済みのトンネル内から岩塊後方に回り込む小断面トンネルを新たに設置し、当該岩塊を砕いて除去する工法を採用しており、地方公共団体、地権者等の関係者に対しては、令和四年一月に当該工法の採用を決定した後、同年二月七日から三月十六日にかけて個別に説明を行ってきたところである。

二及び三について

 お尋ねの「延伸工事の工程や事業費の精査」については、財政制度等審議会の指摘も踏まえ、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構において進めているところであり、現時点で精査の終了及び精査の結果公表の時期並びに精査の結果を踏まえた対応をお示しすることは困難である。

四について

 お尋ねの「駅間別輸送人員(年間)」については、平成二十四年度の着工時においては、

 新函館北斗・新八雲間 約五百四十万人

 新八雲・長万部間 約五百四十万人

 長万部・倶知安間 約五百五十万人

 倶知安・新小樽間 約五百五十万人

 新小樽・札幌間 約五百二十万人

 であり、平成二十九年度の「事業再評価」時においては、

 新函館北斗・新八雲間 約六百二十万人

 新八雲・長万部間 約六百五十万人

 長万部・倶知安間 約六百九十万人

 倶知安・新小樽間 約六百六十万人

 新小樽・札幌間 約六百三十万人

 であった。

五について

 御指摘の「モデル」におけるお尋ねの「航空機、バス、旅客船、乗用車など他の交通機関の競争力」は、鉄道の競争力が向上することに伴い、相対的に低下することとなるが、各交通機関における輸送人員の予測については算出していない。

 また、四についてで述べた平成二十九年度の「事業再評価」の際には、人口については、国立社会保障・人口問題研究所が平成二十五年三月に公表した「日本の地域別将来推計人口」の推計値を使用し、また、GDPについては、平成二十三年度以前の各年度の数値は実質GDPの実績値を、平成二十四年度及び平成二十五年度の数値は「平成二十五年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」(平成二十五年二月二十八日閣議決定)の実質GDPの値を、平成二十六年度から令和十二年度までの各年度の数値はその前年度の数値に平成十四年度から平成二十三年度までの十年間の実質GDP(実績値)の年平均変化量をそれぞれ加算して設定した値を、令和十三年度以降は令和十二年度の数値と同じ値を使用した。