質問主意書

第209回国会(臨時会)

質問主意書

質問第一九号

咲洲メガソーラーなどエネルギー供給基盤事業への中国企業参入に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和四年八月五日

神谷 宗幣


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   咲洲メガソーラーなどエネルギー供給基盤事業への中国企業参入に関する質問主意書

 中国の国営企業である上海電力日本株式会社(以下「上海電力」という。)が、日本国内において次々と太陽光発電によるエネルギー供給事業の展開を進めている。この契機となった「咲洲メガソーラー」に関しては、大阪市が実施した入札に上海電力は応札していないにもかかわらず、いつの間にか事業全体を掌握しているという不可思議な事実が判明している。いわゆる「入札くぐり」が起こった可能性があるとされているが、中国企業については中国政府が有事発生の際に人や資源や施設などを政府の管理下に置くとともに在外の中国国民及び企業についても国の命令に従わなければならないとする「国防動員法」があり、こうした括りの中にある中国企業が日本のエネルギー供給に関わる基盤事業を行うことに懸念を持たざるを得ない。

 そこで今後の対策、法整備を図るべきではないかとの視点に立ち、以下質問する。

一 「国防動員法」によって中国の国益を図るための行動を海外でも義務付けられる中国企業はもちろんのこと、外国企業が日本国民の生活や経済活動の基幹となるエネルギー供給をはじめとする基幹的事業に参入することは望ましいことなのか、政府の見解を示されたい。

二 咲洲メガソーラーに関しては、大阪市が五万平方メートルの広大な市有地を月わずか五十五万円余の賃料で長期貸付を行い太陽光発電事業を展開するという内容について入札が行われ、日光エナジー開発株式会社など二社が合同会社を作り、応札の上落札して事業に参入したにもかかわらず、入札時点では影すら見えなかった上海電力が入札後一年もしないうちに日光エナジー開発株式会社と入れ替わりに参入し、その後、上海電力が全体を運営する事業に様変わりしてしまっている。これら一連の流れに法律上の瑕疵はないとされるが、それこそが奇妙なことであり、どうしてこのようなことが可能となったのか、またこれが望ましいことなのか、政府の見解を示されたい。

三 本年五月に成立した「経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律」(令和四年法律第四十三号)(経済安全保障推進法)は、(1)重要物資の安定的供給、(2)基幹インフラの安定的な提供、(3)先端的な重要技術の開発支援、(4)特許出願の非公開制度など、四本柱で構成されたもので、本年八月一日から一部が施行され、内閣府に「経済安全保障推進室」が設置された。本格的な施行はさらに先になるというが、この法律が施行された場合、前記二で示したような外国企業による「入札くぐり」までしてのエネルギー供給基盤事業への参入を規制することが可能となるのか、政府の見解を示されたい。

  右質問する。