質問主意書

第209回国会(臨時会)

質問主意書

質問第一七号

新型コロナワクチン接種の副反応および未成年者、子供への「接種機会提供」に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和四年八月五日

神谷 宗幣


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   新型コロナワクチン接種の副反応および未成年者、子供への「接種機会提供」に関する質問主意書

 新型コロナウイルス感染症に関し、現在、感染拡大の第七波が起きているとされ、国民の不安が払しょくされない日々が続いている。政府は、対策の一環として、新型コロナワクチンの四回目接種の取組を開始している。

 しかし、これまでの接種推進の中で、副反応の発生が見られるほか、子供たちへの「接種機会提供」と称してのワクチン接種促進の動きが保護者の不安を招いている。そこで、以下質問する。

一 令和四年七月八日に開催された、第八十一回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和四年度第六回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)において、「副反応疑い報告状況」として帯状疱疹、肝機能障害から呼吸困難に至るまで、多くの症例が報告されている。しかし、医療現場においてこれら副反応に関わる様々な症例の報告が十分に周知されておらず、患者側が接種後の身体の不調を訴えても、治療を受けられないケースが多数あるとの声が寄せられている。この状況に鑑み、政府は、前記部会において報告されている「副反応疑い報告状況」について、医療機関に積極的に十分な情報を開示し、治療に結びつけるための対策を講ずるべきではないか。政府の見解を示されたい。

二 令和四年三月一日、米国食品医薬品局(以下「FDA」という。)が米国の裁判所の命令に基づき、ファイザー社からFDAへ提出された同社の新型コロナワクチンに係るデータファイルの一部を開示している。

 この点、開示されたデータの中には、使用許可後の累積報告データとして、腎臓障害、急性弛緩性脊髄炎、脳幹塞栓症、心停止、出血性脳炎など実に千二百九十一種類の副反応が報告されている。この報告につき、政府は、同社の作成したデータの真偽については答える立場にないとの答弁を行っているが、多くの国民が同社製ワクチンを接種していることに鑑み、同社に治験データの開示を求めるとともに副反応についてあらゆる症例の調査を実施し、内容をすみやかに開示すべきではないか。政府の見解を示されたい。

三 副反応の目立つ事例として、女性の月経異常の可能性が指摘されている。米国で行われた新型コロナワクチン接種と月経異常に関する約三万九千人を対象とした調査において、ワクチン接種後に四十二%で月経量が増加、さらに閉経者の六十六%で不正性器出血が報告されているほか、英国の調査でも接種後の月経異常に関連する報告が六万件以上あるとの報告がある。わが国では、「副反応疑い事例の報告状況」に挙がっている月経異常に関する報告の数は僅かであるが、一方、一般社団法人こどもコロナプラットフォームが、十二歳から五十七歳までの九十五名に実施したアンケート結果によると、新型コロナワクチン接種前に月経異常が見られなかった人が八割であるのに対し、七割の人が新型コロナワクチン接種後の月経異常を感じていたという結果が得られた。こちらのデータを見るなら、新型コロナウイルスワクチン接種と月経異常との間の関連性が疑われる。こうしたこともあってか、令和四年七月十二日、国立研究開発法人国立成育医療研究センターと株式会社エムティーアイが、新型コロナウイルスワクチン接種と月経異常との疫学的関連性についての調査を開始すると発表した。

 月経異常は、女性の出産にも影響する深刻な問題である。上記のような現状を政府はどう考えるか。何らかの対策を検討しているか。

四 新型コロナワクチンには中長期にわたる治験や運用に基づく安全性データがないことから、日本の未来を託す子供に接種することについて、より慎重に判断すべきである。政府は、子供へのコロナウイルスワクチン接種について、五歳から十一歳の接種は、「努力義務としない」としているが、実施している自治体によっては、「強制ではないが、多くの人に接種を検討してほしい」と呼び掛けたり、接種券を子供にも一律に発送したりしているところもある。こうした動向の中で、子供の接種について安全性に関わる情報が不十分なままに、判断を下さねばならなくなった保護者から困惑の声が寄せられている。政府のいう子供の接種について「努力義務としない」とは、「接種の機会を提供する施策の推進であり、接種はあくまで受ける当事者、保護者の判断で決めるもの」と理解してよいか、また、リスクとベネフィットを比較衡量すれば子供の接種そのものについて慎重に考えるべきであることについてどう考えるか、政府の見解を明確に示されたい。

  右質問する。