質問主意書

第209回国会(臨時会)

質問主意書

質問第一二号

北海道道東地域における赤潮被害の支援の継続に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和四年八月五日

紙 智子


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   北海道道東地域における赤潮被害の支援の継続に関する質問主意書

 二〇二一年九月に北海道道東地域太平洋沿岸において、初めて赤潮被害が発生した。

 政府は、二〇二一年度補正予算において、「北海道赤潮対策緊急支援事業」として十五億円を計上した。この事業は、漁場再生活動を支援する「環境・生態系保全緊急対策事業」(十四億二千万円)と、赤潮被害の防止・軽減を図るための技術開発や調査を行う「漁場環境改善緊急対策事業」(七千六百万円)の二本柱からなっている。

 私は昨年来、質問主意書や参議院農林水産委員会において、赤潮被害の発生原因の究明、監視体制をはじめとする初動対応の遅れを指摘し、被害から漁業者の生活を守り、経営を継続するための支援策を求めてきた。

 漁業者は漁の再開、再生を目指して努力しているが、ウニやツブ貝、コンブ等がどこまで回復しているか定かでないことから不安が隠せない。被害の大きさから自治体の支援だけでは限りがある。まもなく赤潮被害から1年になる。補正予算を活用しつつ、国の力強い支援の継続・拡充が求められていることから、以下、質問する。

一 「北海道赤潮対策緊急支援事業」(十五億円)の執行状況を、「環境・生態系保全緊急対策事業」、「漁場環境改善緊急対策事業」の各目ごとに明らかにされたい。

二 赤潮プランクトンのモニタリングによれば、二〇二二年七月に入り赤潮被害をもたらすプランクトンが検出されているが、確認された検査結果を明らかにするとともに、検査結果をどのように分析しているか、今後、どのように注意喚起、防除対策をとるのか、それぞれ明らかにされたい。

三 私が二〇二二年三月十六日の参議院農林水産委員会において、ウニ漁は稚ウニをまいて漁獲するまで四年かかるとし、次年度以降の支援を継続するよう求めたところ、水産庁長官は、「現場の状況を丁寧に把握した上で、北海道庁とも連携しながら検討してまいります」と答弁したが、検討状況を報告されたい。また、本年も収入が減少することから、ウニ漁を継続するための生産支援策、後継者支援策を明らかにされたい。

四 日高管内におけるツブ貝・タコ・ナマコなどの被害額は、北海道庁の公表資料である被害額八十億円に含まれていない。公表資料において「今後、複数年にわたり最大で九十億円程度の被害が見込まれている」と明記しているのに、いまだに何故、計上しないのか。その理由について政府はどのように把握しているのか、明らかにされたい。

五 日高管内だけでなく、赤潮の被害を受けたツブ貝は、出荷までに七年から十年かかる。水揚げがなく所得が落ち込んでいる漁業者に対する七年後を見通した生産支援策、後継者支援策を明らかにされたい。

六 漁業者は、赤潮被害によって収入が落ち込んだことから、貯えを取り崩して生活している。赤潮被害前の水揚げ金額と、被害にあって落ち込んだ水揚げ金額の差額を支援する施策を明らかにされたい。また、今年度以降の水揚げ金額の落ち込みに対しての支援策を示されたい。

  右質問する。