質問主意書

第208回国会(常会)

答弁書

内閣参質二〇八第八〇号
  令和四年六月二十八日
内閣総理大臣臨時代理        
国務大臣 松野 博一


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出国際金融センターとしての市場機能強化に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出国際金融センターとしての市場機能強化に関する質問に対する答弁書

一について

 我が国が、国際金融センターとしての地位を向上させるためには、御指摘のとおり「海外から参入しやすい環境の整備に加え、サステナブルファイナンスへの取組などを通じて、市場そのものの機能や魅力を高めていくことが引き続き重要である」と考えている。

 そのため、政府としては、「経済財政運営と改革の基本方針二〇二二」(令和四年六月七日閣議決定)及び「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」(令和四年六月七日閣議決定)に基づき、新規創業への円滑な資金供給や、金融を通じて気候変動等の社会的課題の解決を目指すサステナブルファイナンスの推進等の施策に重点的に取り組んでいくこととしており、こうした取組を通じて我が国金融資本市場の機能及び魅力の向上に努めてまいりたい。

二について

 東京証券取引所は、上場会社やベンチャー企業の持続的成長と企業価値の向上を促し、国内及び海外の投資家にとって魅力ある株式市場となることを目的として、令和四年四月四日に、株式市場を従来の「市場第一部」、「市場第二部」、「マザーズ」、「JASDAQスタンダード」及び「JASDAQグロース」という五つの区分から、「プライム市場」、「スタンダード市場」及び「グロース市場」という三つの区分に移行したと承知している。

 このうち「プライム市場」は、「市場第一部」と比較して、より厳格な上場基準が設定されているほか、「プライム市場」の上場企業には、より高度なコーポレートガバナンス・コードの適用が求められることとされており、「プライム市場」を多くの企業が選択し、持続的成長と企業価値の向上に向けて取り組んでいくことは、日本の株式市場の魅力を向上させ、国際金融センターとしての機能を向上させることに資すると考えている。

 他方で、今般の株式市場の区分の見直しについては、御指摘の「市場第一部上場会社の八割以上が「プライム市場」に移行することとなり、経過措置の期限が定められていないことも含めて、再編の実効性に課題がある」等様々な指摘があると承知しており、東京証券取引所において、これらの指摘も踏まえて、今般の株式市場の区分の見直しの効果が適切に発揮され、更なる株式市場の魅力向上につながるよう、取組を進めていくことを期待している。