質問主意書

第208回国会(常会)

答弁書

内閣参質二〇八第七八号
  令和四年六月二十八日
内閣総理大臣臨時代理        
国務大臣 松野 博一


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出中小企業の過剰債務と資金繰り対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出中小企業の過剰債務と資金繰り対策に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「これまで講じられてきた大規模な資金繰り対策」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、実質無利子・無担保融資等の支援策により令和三年度の我が国における企業の倒産件数は五十七年ぶりの低水準となったと考えているところである。

 また、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている中小企業の資金繰りに支障が生じないように、政府系金融機関による実質無利子・無担保融資、危機対応融資等を令和四年九月末まで延長するとともに、中小企業に対する細やかな支援を政府系金融機関、民間金融機関等に促しているところであり、引き続き、これらの取組を通じて資金繰り支援に万全を期してまいりたい。

二について

 お尋ねの「中小企業の過剰債務の実態」については、個々の中小企業の置かれている状況が様々であることから網羅的に把握することは困難であるが、例えば、財務内容の悪化した中小企業の事業再生に係る支援を行うために全国四十七都道府県に設置した中小企業活性化協議会の活動等を通じて個別に把握することに努めているところであり、また、お尋ねの「中小企業の過剰債務」の「解消」に向けては、当該支援を始めとした「中小企業活性化パッケージ」(令和四年三月四日経済産業省・金融庁・財務省策定)に記載した施策の着実な実施を通じて、中小企業の収益力の改善、事業の再生及び再チャレンジを総合的に支援していく考えである。

 お尋ねの「事業再構築のための私的整理円滑化のための法制整備」については、令和四年四月十二日に開催された新しい資本主義実現会議第五回会合における「コロナ後に向けた経済システムの再構築」に関する議論を踏まえ、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画・フォローアップ」(令和四年六月七日閣議決定)において「コロナ後に向けた我が国企業の事業再構築を容易にするため、新たな事業再構築のための法制度について検討し、早期に国会に提出する」こととしたところであり、現在、これに沿って検討を進めているところである。