質問主意書

第208回国会(常会)

答弁書

内閣参質二〇八第六八号
  令和四年六月二十四日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員田島麻衣子君提出アベノマスクの費用、数、品質管理に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員田島麻衣子君提出アベノマスクの費用、数、品質管理に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 これまでに全戸向け、介護施設等向け及び妊婦向けの布製マスク配布事業(御指摘の「令和四年に行われた自治体・個人・団体への一般配布」(以下「一般配布事業」という。)を含む。以下「布製マスク配布事業」という。)に要した費用の総額については、現時点で一般配布事業に要した費用の額が確定しておらず、お答えすることは困難であるが、一般配布事業に要した費用を除く令和元年度から令和三年度までに布製マスク配布事業に要した費用の額は約五百二億円であり、その内訳は、調達に要した費用が約四百億円、配送に要した費用が約四十一億円、厚生労働省が実施した検品に要した費用が約七億円、保管に要した費用が約十億円、その他の費用が約四十五億円である。また、一般配布事業について、配送に要した費用の額については、現時点で確定しておらず、お答えすることは困難であるが、配布枚数については、令和四年六月十七日時点で約七千七十万枚であり、在庫枚数については、同日時点で約三十万枚である。

三について

 布製マスク配布事業について、これまでに調達した布製マスクの総数(以下「調達総数」という。)は約二億九千万枚である。令和二年三月から布製マスクの配送を開始し、同年四月下旬から同年五月下旬にかけて、厚生労働省において検品を行ったところ、検品の対象となった約七千百万枚のうち、約十五パーセントに当たる約千百万枚が不良品であったが、同省において検品を行う以前に配送を完了していた布製マスクについては、検品作業が困難であったことから、不良品の枚数の合計及び調達総数に占める不良品の割合をお答えすることは困難である。

四について

 お尋ねの「政府が政策評価のために得たエビデンス」の意味するところが必ずしも明らかではないが、布製マスク配布事業については、会計検査院の令和二年度決算検査報告において、マスク等の衛生用品の調達等について、緊急時であっても、品質基準等を明確に定めた仕様書を作成することや、契約条項の中で、不良品が発生した場合の措置を定めるなどすること等について所見が示されており、政府としては、当該所見を踏まえ、今後の衛生用品の調達等については、品質基準等を明確に定めた仕様書を作成するとともに、契約条項の中で、不良品が発生した場合の措置を定めるなどの対応を行ってまいりたい。

五について

 お尋ねの事案については、承知していない。

六について

 布製マスク配布事業に関して必要な記録を保存すべき主体は、事業の実施主体である厚生労働省である。また、布製マスク配布事業において、調達枚数から同省において把握していた配布枚数を差し引いた計算上の在庫枚数と実際の在庫枚数に差が生じた理由について、正確に特定することは困難であるが、同省においては、配送業者から配布枚数等について報告を受け、記録を保存することとしていたところ、令和二年度当時、可能な限り早く布製マスクを配布するため、毎日、全国の作業拠点で、大量の布製マスクの納入、こん包及び配送を行っていた中で、布製マスクの詳細な配布枚数まで報告することを配送業者に求めていなかったためであると認識しており、今後は、緊急的に実施する事業であっても、正確な配布枚数の把握に努めてまいりたい。