質問主意書

第208回国会(常会)

答弁書

内閣参質二〇八第六四号
  令和四年六月二十四日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員矢田わか子君提出電線関連産業における技術革新と省エネルギーへの貢献に対する支援策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員矢田わか子君提出電線関連産業における技術革新と省エネルギーへの貢献に対する支援策に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「長距離直流海底光ケーブル」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、「新技術・新製品の開発と国際標準化」に向けて、これまで、送電線については、我が国特有の海底の環境を踏まえた直流送電線の研究開発に対する支援を行っているところであり、また、「超電導電力ケーブル」については、超電導ケーブルを用いた送電システム等の研究開発や実証を支援してきたところである。今後、これらの取組や民間企業の動向を踏まえながら、必要に応じて支援策を検討していく考えである。

二について

 スマートシティの構築については、現在、「科学技術・イノベーション基本計画」(令和三年三月二十六日閣議決定)に基づき、環境・エネルギーを対象とする事業を含めて、全国での計画的な実装・普及に向けて各府省の関連事業を一体的に実施して地域における官民連携の取組を促進しているところであり、また、「次世代送電網の構築」については、現在、再生可能エネルギーの大量導入に伴う系統混雑を解消するためのエネルギーマネジメントの高度化に向けた研究開発の支援を進めているところであり、また、「電力の安定供給に資する蓄電池システムの開発」については、これまで、再生可能エネルギーの出力の不安定性等の課題に対応するための大型蓄電池の実証事業等の支援を行ってきたところである。今後、これらの取組や民間企業の動向を踏まえながら、必要に応じて支援策を検討していく考えである。

三について

 我が国における無電柱化に関する事業の推進に向けて、これまで、国、地方自治体及び電線管理者の実施する無電柱化に関する事業においては、「無電柱化推進計画」(令和三年五月二十五日国土交通大臣決定)に基づき、浅層埋設の手法の活用などによる徹底したコストの削減、道路管理者や電線管理者等が行う工事の同時施工や事業調整の円滑化を可能とする発注方式の採用による無電柱化に関する事業に要する期間の短縮、電柱の増加の状況を踏まえた電柱の新設の抑制等を推進しているところであり、また、「市区町村」を含む地方自治体に対しては、緊急輸送道路等における無電柱化に関する事業を対象とした個別補助制度による重点的な財政的支援を行うとともに、計画から実施の段階に至るまでの無電柱化に関する事業に係る合意形成に関するマニュアルの作成といった技術的支援を行っているところである。引き続き、これらの取組を行っていく考えである。

四について

 お尋ねの「業界への指導強化」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、「電線関連産業」における「取引の適正化」に向けて、これまで、「金属産業取引適正化ガイドライン(金属産業における下請適正取引等のためのガイドライン)」(平成二十九年二月経済産業省策定)を令和三年九月に改訂し、電線・ケーブル製造業での取引において問題のあった事例を同ガイドラインの中で紹介するとともに、一般社団法人日本電線工業会の主催する説明会等において同ガイドラインを説明すること等を通じて「電線関連産業」に対して必要な情報提供を行ってきたところである。引き続き、これらの取組を行っていく考えである。