質問主意書

第208回国会(常会)

答弁書

内閣参質二〇八第二九号
  令和四年三月二十九日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員羽田次郎君提出ロシアのウクライナ侵略を踏まえた日本政府によるウクライナ及びウクライナ人への人道支援に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員羽田次郎君提出ロシアのウクライナ侵略を踏まえた日本政府によるウクライナ及びウクライナ人への人道支援に関する質問に対する答弁書

一の1及び3について

 お尋ねの「難民申請者の法的地位」の意味するところが必ずしも明らかではないが、我が国においては、難民の地位に関する条約(昭和五十六年条約第二十一号。以下「難民条約」という。)第一条の規定又は難民の地位に関する議定書(昭和五十七年条約第一号。以下「難民議定書」という。)第一条の規定により難民条約の適用を受ける者を、その国籍にかかわらず、難民認定申請(出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)第六十一条の二第一項の規定による難民の認定の申請をいう。以下同じ。)の内容により個別に審査し、適切に難民と認定しており、また、難民と認定しなかった者であっても、人道上の配慮が必要と認められる者に対しては、本邦において適法に在留することができるようにするため、入管法に定めるいずれかの在留資格を認めることとしている。

一の2について

 お尋ねの「在留期間の延長」の意味するところが必ずしも明らかではないが、我が国においては、難民条約第一条の規定又は難民議定書第一条の規定により難民条約の適用を受ける者を、その国籍にかかわらず、難民認定申請の内容により個別に審査し、適切に難民と認定しており、また、本邦に在留する外国人から在留期間の更新等の申請があった場合において、在留期間の更新等を適当と認めるに足りる相当の理由があるときは、在留期間の更新等を許可することとしている。

二の1について

 本邦へ避難を希望するウクライナ人の家族について、上陸の申請があったときは、その国籍にかかわらず、日本国領事官等の発給した査証の内容に応じるなどして、「短期滞在」等の在留資格を決定することとしており、また、本邦に入国後、ウクライナにおける情勢が改善されていないと認められる間に、在留資格の変更等の申請があったときは、その国籍にかかわらず、その希望等に応じ、就労可能な「特定活動」等の在留資格への変更等を認めることとしている。

二の2について

 お尋ねの「ウクライナ人の日本を経由した第三国への定住事業」の意味するところが必ずしも明らかではないが、本邦に避難したウクライナ人に対する支援の在り方については、ウクライナにおける情勢や個々の置かれた状況等にも配慮しながら、人道的な観点から政府全体として対応を進めているところである。

二の3について

 お尋ねの「在日ウクライナ人がウクライナにいる家族や知人を呼び寄せる場合」については、各国に所在する在外公館において、査証申請に係る手続の簡素化等の措置を講じている。

 また、お尋ねの「日本へ避難を希望するウクライナ人が有効なパスポートを持っていない場合」については、査証申請を行う者が自己の責任に帰すべからざる理由により有効な旅券を所持していない場合、日本国領事官等において渡航証明書を発行することができ、当該渡航証明書は、入管法第二条の規定に基づき、旅券として取り扱われることとなる。その上で、必要な場合には、現下の情勢に鑑み、当該渡航証明書を短時間で発行することとしている。