質問主意書

第208回国会(常会)

答弁書

内閣参質二〇八第二三号
  令和四年三月十五日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員塩村あやか君提出介護従事者間におけるコロナ対応に係る取扱いの差異に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員塩村あやか君提出介護従事者間におけるコロナ対応に係る取扱いの差異に関する質問に対する答弁書

一について

 令和三年二月九日に内閣官房及び厚生労働省が取りまとめた「新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの接種について」において示した新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の接種順位については、同日に開催された新型インフルエンザ等対策有識者会議新型コロナウイルス感染症対策分科会において、同感染症にかかった際の重症化リスクの大きさ、同感染症の患者(同感染症にかかっていると疑われる者を含む。)に対する医療提供体制の確保の必要性等を踏まえ、医療従事者等、高齢者、高齢者以外で基礎疾患を有する者及び高齢者施設等の従事者の順に予防接種を行い、その後、それ以外の者に対し、予防接種に係るワクチンの供給量や地域の実情等を踏まえ、順次予防接種を行うことを基本的考え方とすることが取りまとめられたことを踏まえたものであるところ、高齢者施設等の従事者については、それまでの同分科会における議論において、「高齢者が入居する社会福祉施設において、クラスターが発生するなどにより、施設職員が非常に苦労をしていることや重症化しやすい入居者が多数居住していることから、社会福祉施設で従事する方も接種順位に位置付けることを検討してはどうか」との意見があったこと等を踏まえ、同分科会や厚生科学審議会における議論を経て、業務の特性として、仮に高齢者施設等で同感染症の患者が発生した後にも高齢の患者や濃厚接触者へのサービスを継続するとともに、クラスターを抑止する対応を行う必要があることから、接種順位の上位に位置付けることとしたものである。一方で、居宅サービス事業所等の従事者については、高齢者施設等の従事者と同様の事情になかったことから、当初は接種順位の上位に位置付けることとしなかったものである。

 また、御指摘の「今般の介護職員の処遇改善の交付率・加算率」については、介護サービスの種類ごとに一事業所当たりの平均的な介護職員数や保険給付費等が異なっていることを踏まえ、いずれの介護サービスの種類においても、常勤換算による介護職員一人当たり月額九千円相当の賃金改善が可能となるよう、介護サービスの種類ごとの全国の事業所の介護職員の総数及び保険給付費の総額に基づいて、介護サービスの種類ごとに設定しているものである。

二について

 お尋ねの「介護従事者の新型コロナワクチンの接種順位や処遇改善等について、日本と同様に、従事するサービスの種類によって差異を設けている諸外国の事例」については把握していない。