質問主意書

第208回国会(常会)

答弁書

内閣参質二〇八第一〇号
  令和四年二月十五日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員木戸口英司君提出財政資金の効率的支出に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員木戸口英司君提出財政資金の効率的支出に関する質問に対する答弁書

一について

 令和四年度一般会計予算及び令和四年度特別会計予算において、新規に設置する基金に対する予算措置はない。

 令和四年度一般会計予算において、既に設置している基金に対する予算措置額は、文部科学省所管のうち創発的研究推進基金が三十四・〇億円、学術研究助成基金が九百七十九・二億円、革新的研究開発推進基金(国立研究開発法人科学技術振興機構に設置するもの)が二十九・六億円及び革新的研究開発推進基金(国立研究開発法人日本医療研究開発機構に設置するもの)が二・五億円、厚生労働省所管のうち特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等支給基金が千百七十五・六億円、地域医療介護総合確保基金が千三百・二億円、医療情報化支援基金が七百三十五・一億円、後期高齢者医療財政安定化基金が六十六・九億円、国民健康保険財政安定化基金が千円及び革新的研究開発推進基金(国立研究開発法人日本医療研究開発機構に設置するもの)が四・〇億円、農林水産省所管のうち農業経営収入保険特約補資金が二十二・四億円、さとうきび増産基金が七・八億円、野菜生産出荷安定資金が六十六・〇億円、鶏卵生産者経営安定対策基金が三十一・七億円、革新的研究開発推進基金(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構に設置するもの)が一・六億円、漁業経営セーフティーネット構築等事業基金が十六・二億円、漁業経営安定対策基金が百九十五・六億円及び資源管理・漁業革新推進基金が二十・〇億円、経済産業省所管のうちムーンショット型研究開発基金が四・八億円、革新的研究開発推進基金(国立研究開発法人日本医療研究開発機構に設置するもの)が一・五億円及び経営安定関連保証等特別基金が三十二・八億円並びに環境省所管のうち産業廃棄物適正処理推進基金が〇・六億円である。

 令和四年度特別会計予算において、既に設置している基金に対する予算措置額は、復興庁所管のうち生活拠点形成交付金基金、帰還・移住等環境整備交付金基金及び福島県民健康管理基金(福島再生加速化交付金)が七百・八億円の内数、地域医療再生基金が二十九・二億円、福島県原子力災害等復興基金(福島県医療機器開発・安全性評価センター整備事業費)が二・七億円、福島県原子力災害等復興基金(福島医薬品関連産業支援拠点化事業費)が二十三・三億円、事業再開・帰還促進基金が十五・二億円、自立・帰還支援雇用創出企業立地補助事業基金が百四十・九億円、放射性物質汚染廃棄物処理周辺環境整備基金が五十・〇億円並びに福島県民健康管理基金(原子力災害影響調査等交付金)が八・〇億円、経済産業省所管のうち国内投資促進基金が十五・〇億円並びに環境省所管のうち地域低炭素化出資事業基金が十・〇億円である。

二について

 御指摘の「PDCAの枠組み」については、科学技術の振興、経済安全保障、重要インフラの整備等の国家課題に計画的に取り組む基金事業のうち、行政事業レビュー実施要領等を踏まえ、「単年度事業費十億円相当以上の基金事業(終期のない基金事業については基金残高十億円以上のもの)」を対象としており、適切かつ効果的な支出の徹底等に資するよう、当該枠組みを令和三年度末までに構築すべく、検討を進めているところである。対象となる基金事業については、現時点において、内閣府、総務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省及び経済産業省において所管している二十八事業である。

三について

 お尋ねについては、御指摘の「国が実施する委託事業」に対応する予算上の計数の範囲が明らかではなく、お答えすることは困難である。

四について

 御指摘の「民間団体等に対する委託事業」は様々な事業方式があるため、お尋ねのメリット及びデメリットについて一概にお答えすることは困難であるが、例えば民間資金等の活用による公共施設等の整備等に関する事業(以下「PFI事業」という。)においては、政府は民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用した公共施設等の整備等の促進を図るための措置を講ずること等により、効率的かつ効果的に社会資本を整備するとともに、国民に対する低廉かつ良好なサービスの提供が確保できると考えている。また、PFI事業の実施に当たっては、民間事業者に委ねることにより、公共サービスが同一の水準にある場合において事業期間全体を通じた公的財政負担の縮減を期待することができること又は公的財政負担が同一の水準にある場合においても公共サービスの水準の向上を期待することができること等を条件としており、御指摘のデメリットがないように取り組んでいるところである。

五について

 政府としては、これまで「新経済・財政再生計画改革工程表」の着実な実行等により、委託事業等の適切かつ効果的な支出を推進してきたところであり、引き続きこれらの取組を推進してまいりたい。

六について

 お尋ねの各年度における財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第十五条の規定による国庫債務負担行為(以下単に「国庫債務負担行為」という。)の限度額は、昭和五十七年度の一般会計当初予算が二・一兆円及び特別会計当初予算(各特別会計予算における額の合計をいう。以下同じ。)が一・〇兆円、平成四年度の一般会計当初予算が二・七兆円及び特別会計当初予算が二・〇兆円、平成十四年度の一般会計当初予算が二・六兆円及び特別会計当初予算が一・六兆円、平成二十四年度の一般会計当初予算が二・八兆円及び特別会計当初予算が一・六兆円並びに令和四年度の一般会計予算が五・九兆円及び特別会計予算が〇・八兆円である。

七について

 国庫債務負担行為の活用に当たっては、財政の硬直化を招くことがないよう、後年度の負担も含め、計画的に予算編成を行うことが重要であると考えている。