質問主意書

第208回国会(常会)

答弁書

内閣参質二〇八第八号
  令和四年二月四日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員浜田聡君提出障害者グループホームとマンション管理規約に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田聡君提出障害者グループホームとマンション管理規約に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねについては、障害者の権利に関する条約(平成二十六年条約第一号)第十九条において、「この条約の締約国は、全ての障害者が他の者と平等の選択の機会をもって地域社会で生活する平等の権利を有することを認めるものとし、障害者が、この権利を完全に享受し、並びに地域社会に完全に包容され、及び参加することを容易にするための効果的かつ適当な措置をとる」と規定されており、また、障害者基本法(昭和四十五年法律第八十四号)第三条第二号において、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現は、「全て障害者は、可能な限り、どこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと」等を旨として図られなければならないと規定されているほか、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号)第一条の二においても、「障害者及び障害児が日常生活又は社会生活を営むための支援は、(中略)どこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと・・・を旨として、総合的かつ計画的に行わなければならない」と規定されているものと承知している。

二について

 御指摘の「都市部」の意味するところが必ずしも明らかではないが、平成三十年度障害者総合福祉推進事業において全国のグループホームを対象として実施した「グループホームを利用する障害者の生活実態に関する調査研究」の結果においては、建物の種類を問う質問に対して回答のあったグループホームのうち、マンション等の集合住宅にあるグループホームの割合は二十四・七パーセントであると報告されている。

三について

 お尋ねの「一般論として、・・・GHとしての部屋の使用がマンションなどで軒並み認められなくなる可能性について、・・・どの程度認識・予見し、どのような対策を講ずべきものと考えているか」については、御指摘の判決に係る事案のその後の状況を含め、今後のグループホームを取り巻く状況等を踏まえて検討すべきであると考えており、現時点でお答えすることは困難であり、また、当該可能性を踏まえた特段の対応は行っていない。

 政府としては、障害者が地域生活を安心して送ることができるよう、障害福祉サービス等及び障害児通所支援等の円滑な実施を確保するための基本的な指針(平成二十九年厚生労働省告示第百十六号)を定め、都道府県障害福祉計画等に基づくグループホームの計画的な整備を推進するとともに、令和三年度障害福祉サービス等報酬改定において、グループホームにおける重度障害者支援加算の対象者の拡充を図るなど、地域における居住の場としてのグループホームの充実を図ってきたところであり、引き続き、障害者が希望する多様な地域生活の実現に向けた支援の充実を図ってまいりたい。