質問主意書

第208回国会(常会)

質問主意書

質問第七二号

アフガニスタン退避者への政府の人道的支援に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和四年六月十四日

羽田 次郎


       参議院議長 山東 昭子 殿



   アフガニスタン退避者への政府の人道的支援に関する質問主意書

 現在、政府の施設等に滞在している在アフガニスタン日本国大使館やJICA等に勤務していたアフガニスタンからの退避者の方々にヒアリングを行ったところ、現在の滞在施設から、本年八月三十一日までの退去を求められていると伺った。早期に決断すれば、アフガニスタン、若しくは第三国への渡航費用を支援するので、出国するか、自力で保証人を探し、住居や就職先を見つけて日本に残るか、再三促されていて先行きが不安である、とのことであった。

 本年六月七日の参議院外交防衛委員会において、前述の事実関係を政府に質したところ、回答を得られなかった。「退避から一定の時間が経過し、個々の状況が多様化しているので、それぞれの意向を鑑みて対応していく。個々のやりとりについては差し控える」という趣旨の答弁であった。

 本年九月以降の見通しが立たない不安の中での生活を強いられているアフガニスタンからの退避者に対して、人道的な対応をすべきという観点で、以下質問する。

一 ウクライナ避難民と、アフガニスタンなど他国からの退避者への対応が異なる理由を示されたい。国籍により異なる対応を取ることは、国際社会から「日本の対応は差別的だ」と問題視される可能性がある。政府の見解を問う。

二 アフガニスタンに戻れば「命の危険がある」と感じている退避者の方々に、本年八月三十一日までに政府施設からの退去を求めている事実はあるか。また、現在、政府施設に滞在中の方々に今後の処遇について、どのような提案をしているか、具体的に示されたい。

三 六か月の短期査証で、自力で身元保証人を探し、住居の契約や職探しをするのは、言語、文化等の障壁がある中、非常に困難なことは明白である。長期滞在を希望する退避者の方々には、家族を含め、どのような支援措置を取るか。特に、日本語教育、身元保証、就業支援、高校生以上の学業支援について、政府の方針を問う。

  右質問する。