質問主意書

第208回国会(常会)

質問主意書

質問第七〇号

北方四島周辺海域での安全操業に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和四年六月十四日

鈴木 宗男


       参議院議長 山東 昭子 殿



   北方四島周辺海域での安全操業に関する質問主意書

 ロシア外務省が、今月七日、日本に対し、北方四島周辺海域での安全操業協定の履行を停止すると発表した件に関し、以下、質問する。

一 ロシア外務省のザハロワ報道官が、今月七日、北方四島周辺海域での安全操業協定について声明を発表し、「日本政府は、この協定が機能するために不可欠な、サハリン州に対する無償の技術支援の提供に関する文書への署名を遅らせ、協定に基づく支払いを「凍結」する方針をとった」、「日本側がすべての財政的な義務を果たすまで一九九八年の協定の履行を停止する決定を下さざるをえない」と通告してきたが、政府の見解は如何。

二 ザハロワ報道官が「日本側がすべての財政的な義務を果たすまで一九九八年の協定の履行を停止する決定を下さざるをえない」と通告してきたが、「すべての財政的な義務」とは何を指しているのか、政府の見解は如何。

三 日本外務省は、NHKの取材に対し、「ロシアが、サハリン州との協力事業を協定実施の前提条件であるかのようにして一方的に協定の履行の停止を発表したことは遺憾だ。政府としては、引き続き協定のもとで日本側が操業を行えるようロシア側と協議を行っていく考えだ」と述べたと報道されているが、政府の見解は如何。

四 松野博一官房長官が記者会見で「ロシア側が、サハリン州との協力事業を協定実施の前提条件であるかのように結び付け、一方的に協定の履行停止を主張し、発表したことは遺憾」である旨述べているが、この発言の根拠は如何。

五 ロシア側が安全操業協定履行停止の発表をしているにもかかわらず、松野博一官房長官は、「まず第一に、漁業関係者の操業の安全を確保するために全力を尽くしたい」旨述べているが、ロシア側が安全操業協定の履行停止を言っているのに、何故このような発言になるのか、その真意は如何。

六 日本側が、毎年ロシア側に支払っている「サハリン州経済改革促進等特別援助費」に関し、昨年分の一億五千万円を支払わなかったのは何故か、政府の見解は如何。

七 日本外務省が「サハリン州経済改革促進等特別援助費」という名目で、毎年一億五千万円をロシア側に支払っており、日本側が昨年分を支払っていないことで、ロシア側からの安全操業協定履行停止の発表に至ったと考えるが、政府の見解は如何。

八 北方四島周辺海域で漁を行ってきた漁業関係者に対し、安全操業協定履行停止に至った経緯、事実関係を説明する責任が外務省にあると考えるが、政府の見解は如何。

  右質問する。