質問主意書

第208回国会(常会)

質問主意書

質問第四九号

財務省が作成した防衛関係資料に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和四年五月十九日

浜田 聡


       参議院議長 山東 昭子 殿



   財務省が作成した防衛関係資料に関する質問主意書

 令和三年十一月十五日に開催された財政制度分科会資料「防衛」(以下「令和三年資料」という。)や令和四年四月二十日に開催された歳出改革部会資料三「防衛」(以下「令和四年資料」という。)の内容があまりにも衝撃的であり、その内容が広く国民の議論を呼んでいることから、以下のとおり質問する。

一 令和三年資料二十四ページに「近年では、航空機の機動性や費用対効果等を重視することから、推力重量比や機体サイズの観点から、小型化が一般的。」と記載されているが、これは事実ではないと考える。「Air Force Magazine」の「Brown: NGAD Will be a Multirole Fighter」という記事には「Compared to the F-22, Brown said the NGAD will have "increased weapons load [and] … increased range" necessary to operate at the great distances required in the Indo-Pacific theater.」という記述があり、F―22の後継はNGADとされている。「increased range」とあるとおり、航続距離が伸びるとすれば、当然機体は大型化すると見るのが妥当であろう。

 なぜ、令和三年資料二十四ページ「近年の戦闘機の規模等について」において、F―22の後継をNGADではなくF―35と記載したのか。F―35はF―16の後継ではないか。政府の見解如何。財務省、防衛省の見解に相違があれば、それぞれの省庁の考えを示されたい。

二 令和四年資料十七ページの弾道ミサイルに関する記述について、北朝鮮は核兵器を所有していることから、実際に迎撃する際は核弾頭の搭載を想定しなければならず、比較すべきは防衛システム構築額と、核弾頭が搭載された弾道ミサイルを迎撃できなかった場合の被害想定額である。

1 なぜ、令和四年資料は、北朝鮮の弾道ミサイルに核弾頭が搭載されない前提に基づいて作成されたのか。

2 核兵器が我が国に打ち込まれた際の被害想定額が令和四年資料にないのはなぜか。

3 政府は、核兵器が我が国に打ち込まれた際の被害想定額を算出しているか。算出しているとすれば、それはいくらか。概算でよいので示されたい。

三 令和四年資料十七ページにおいて、コスト面でジャベリンと戦車を比較していることに対し、「ジャベリン一発を敵の戦車に打ち込むのに歩兵が何人犠牲になると思っているのか。ジャベリンと戦車の比較は意味がなく、ウクライナが戦車を要求していることを都合よく無視している」という意見が一部国民から支持を得ていると承知している。令和四年資料十七ページにおけるジャベリンと戦車を比較する記述は、いざとなれば、財務省職員自ら前線に赴き敵の戦車にジャベリンを打ち込むという決意の表れ若しくはジャベリンの使用訓練や前線に赴く義務の法制化に向けた立法府へのメッセージと解釈してよいか。政府の見解如何。

 なお、本質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、転送から七日以内での答弁は求めない。国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内には答弁されたい。

  右質問する。