質問主意書

第208回国会(常会)

質問主意書

質問第三二号

国際協力銀行によるロシア向け投融資についての今後の対応に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和四年三月二十五日

牧山 ひろえ


       参議院議長 山東 昭子 殿



   国際協力銀行によるロシア向け投融資についての今後の対応に関する質問主意書

 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受け、国際協力銀行(以下「JBIC」という。)の前田総裁は、本年三月三日の記者会見において、「ウクライナで起きていることは通常モードを超えた」として、ロシア向け融資を見直す考えを明らかにされた。政府系金融機関であるJBICは、日本企業が参画する資源開発プロジェクト等に対する融資に取り組んでおり、これまでロシア国内においても石油・天然ガス開発プロジェクトなどへの融資を行ってきた。二〇二一年三月時点でのJBICのロシア向け融資残高は、こうしたプロジェクト等を含めて約千三百億円となっている。

 JBICは、民間金融機関を補完しつつ日本及び国際経済社会の健全な発展に貢献する役割を担う政策金融機関であり、紛争当事国でのプロジェクトに対する投融資は適切ではない。加えて、政府が百パーセント出資する法人であることから、融資の返済や利払いが滞った場合にも損失を最小化することが求められる。

一 今回のウクライナ情勢を踏まえて講じているJBICの対応や今後の方針に関する政府の認識を示されたい。

二 このような武力紛争が融資先国で生じた場合に備えた損失最小化のための措置を、JBICは今までどのように講じてきたのか、政府の認識を示されたい。

三 二〇一四年のロシアによるクリミア半島併合後、それを受けて、JBICの対ロシア支援の方針に変更はあったか。あったのであれば、政府が把握している内容を詳らかにされたい。

  右質問する。