質問主意書

第208回国会(常会)

質問主意書

質問第一七号

新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の申請等の在り方に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和四年二月二十一日

塩村 あやか


       参議院議長 山東 昭子 殿



   新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の申請等の在り方に関する質問主意書

 新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金(以下「休業支援金」という。)制度の支給対象者となる労働者については、雇用保険の適用の有無を問わないが、労働保険暫定任意適用事業を除き、雇用される事業所において必要な労働保険の適用手続がなされている必要がある。

 労働保険のうち、労働者災害補償保険(以下「労災保険」という。)は、原則として一人でも労働者を雇用する事業主に、保険加入の手続を行った上で保険料を納付することを義務付ける、いわゆる強制保険であるが、実際には、労災保険の適用事業であるにもかかわらず、加入手続を怠る事業主が数多く存在することも事実である。

 休業支援金の申請に当たっては、事業主が労災保険の加入手続を行っていない場合でも、労働者は申請を行うことができるとされている。しかしながら、その場合には、労働局における審査過程において、相当の時間を要する。また、同審査過程では、事業主に対する労災保険加入の勧奨・指導等が行われることから、雇用主と労働者の関係に悪影響が及ぶことも考えられる。

 令和三年八月末時点における休業支援金の支給決定件数を男女別に見ると、女性の割合が高く、休業支援金のセーフティーネットは、コロナ禍において、とりわけ弱い立場に置かれた女性・非正規雇用労働者といった人たちの雇用・生活を維持する上で、必要不可欠な制度であると言える。休業支援金を一刻も早く必要とする人たちのために、速やかに支給を行き渡らせることが求められる。このような観点から以下質問する。

一 休業支援金の支給対象者の要件の一つとして、労働保険暫定任意適用事業を除き、雇用される事業所において必要な労働保険の適用手続がなされていることとした根拠を示されたい。

二 事業主が労災保険の加入手続を行っていないために、労働者が、休業支援金に係る審査過程に遅延が発生するなどの不利益を被るのは妥当でない。事業主が労災保険の加入手続を行っていない場合における休業支援金支給までの迅速化について、政府はどのような対策を行い、確実な給付を行っているか、具体的に明らかにされたい。

三 労災保険加入の勧奨・指導等を経てもなお加入手続を行わない事業主に対し、国は、職権によりその成立手続を行う。その際、事業主は、遡って保険料を徴収されるほか、併せて追徴金を徴収されることとなるが、この徴収ができないことによって、休業支援金の支給が行われないことはあるのか示されたい。

  右質問する。