質問主意書

第208回国会(常会)

質問主意書

質問第五号

骨髄移植等と予防接種に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和四年一月十七日

田島 麻衣子


       参議院議長 山東 昭子 殿



   骨髄移植等と予防接種に関する質問主意書

 小児がんの治療では抗がん剤を用いた化学療法とともに、骨髄移植等の造血幹細胞移植による治療を行う。

 しかし、こうした治療により、病気の発症前に予防接種を受けていても、治療によって抗体が喪失し免疫が減衰するため、再度の予防接種(以下「再接種」という。)が必要になる。この再接種に要する費用の助成を制度化している自治体も多い。

 そこで、骨髄移植等と予防接種に関して、以下質問する。

一 再接種に要する費用の助成を制度化している自治体があることを政府は把握しているか。

二 予防接種法による定期接種の疾病と対象者を定める予防接種法施行令第一条の三の表中に骨髄移植等の造血幹細胞移植による治療を受けた者が含まれていない理由を示されたい。

三 疾病に関して保険給付を行うことを定める健康保険法では、予防接種は保険の適用外とされる。しかし、骨髄移植には保険適用されるにもかかわらず、骨髄移植によって必然的に起きる抗体喪失による免疫低下の治療である再接種には保険が適用されない。小児がんの治療の一環ともいえる再接種に対し、保険給付を行わないままでは健康保険法の趣旨を達成することができないと思うが、政府の見解を示されたい。

四 前記二について、厚生科学審議会において、新型コロナウイルス感染症の流行下でもインフルエンザや風疹について議論されているにもかかわらず、造血幹細胞移植後の接種については、令和二年一月二十七日の厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会)において、「造血幹細胞移植後の接種について」(資料三―五)が取り上げられたのが最後であり、それ以降は議論されていない。造血幹細胞移植後の接種が議論されていない理由を示すとともに、今後の議論の予定を示されたい。

  右質問する。