質問主意書

第207回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二〇七第五二号
  令和四年一月七日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出森友問題に関する財務省の公文書改ざん及び国家賠償請求訴訟の終結に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出森友問題に関する財務省の公文書改ざん及び国家賠償請求訴訟の終結に関する質問に対する答弁書

一及び五について

 お尋ねについては、令和三年十二月十七日の参議院予算委員会において、鈴木財務大臣が「真相究明につきましては、国としては訴訟の中で、これまでも裁判所の訴訟指揮に従いつつ、いわゆる赤木ファイルなど訴訟審理に必要な資料を裁判所に提出し、今般の認諾に際しましても、新たな資料の提出を含め、原告の求めに可能な限り対応するなど、できる限り丁寧な対応に努めてまいりました。」と述べ、また、同月二十一日の参議院本会議において、岸田内閣総理大臣が「今般のこの損害賠償請求を全面的に認めるに当たりまして、財務省に対し、別途の訴訟についてまず引き続きしっかりと丁寧に対応することを指示し、そして、今後も様々な場において真摯に説明を尽くしていく、このように指示をしたところであります。今後も、必要に応じてしっかり説明をしてまいりたいと考えております。」と述べたとおりである。

二について

 お尋ねについては、私人間の係属中の訴訟に関する事柄であるため、政府としてお答えすることは差し控えたい。

三及び七について

 お尋ねについては、令和三年十二月十五日の記者会見において、鈴木財務大臣が「本件訴訟では、赤木俊夫さんがいかなる心理的・肉体的負荷を原因として亡くなられたかについて、裁判所の訴訟指揮の下、審理が行われてまいりました。国としても裁判所の訴訟指揮に従いつつ、公務災害認定に関連する資料や、いわゆる赤木ファイルなど、訴訟審理に必要な資料を裁判所に提出するなど真摯に対応してまいりました。その上で、本年十月、これまで国が提出した資料を踏まえた原告側の主張の全体像が示され、その内容も踏まえて方針を検討した結果、赤木俊夫さんが当時、森友学園案件に係る情報公開請求など、様々な業務に忙殺され、御自身も強く反発された本省からの決裁文書改ざん指示への対応も含め、厳しい業務状況に置かれる中、精神面・肉体面において過剰な負荷が継続したことにより、病気休職、更には自死に至ったことについて、国の責任は明らかとの結論に至りました。そうである以上、いたずらに訴訟を長引かせるのも適切ではなく、また、決裁文書の改ざんという重大な行為が介在している事案の性質などに鑑み、認諾するとの判断に至ったものであります。」と述べたとおりである。

四について

 お尋ねについては、裁判所に係属中の事件に関わる事柄であり、お答えすることは差し控えたい。

六について

 御指摘の「対応」は、「遺族」が国を被告として提起した訴訟が現在係属中であることを踏まえたものである。

八について

 令和三年十二月十七日の参議院予算委員会において、鈴木財務大臣が「今般の認諾によって、赤木氏が当時様々な業務に忙殺され、本省からの決裁、決裁文書改ざん指示への対応を含め厳しい業務状況に置かれていたことを自死の原因として、国としてその責任をしっかり認めたところでございます。」と述べており、また、財務省において、業務負担の軽減等の対応が当時なされていたこともあり、国が国家賠償法(昭和二十二年法律第百二十五号)第一条第二項の規定に基づく求償権を有するとは考えていない。