質問主意書

第207回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二〇七第四七号
  令和四年一月七日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出新型コロナウイルス感染症対策としての保健所の体制強化に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出新型コロナウイルス感染症対策としての保健所の体制強化に関する質問に対する答弁書

一について

 政府としては、保健所の数の減少については、住民に身近な保健サービスの市町村への権限移譲が行われたことや、保健所の機能強化を図るため、施設設備の拡充を図りつつ、集約化が進んだこと等によるものと認識しているが、今般の新型コロナウイルス感染症に係る対応により保健所の業務がひっ迫していることについては、様々な要因が考えられることから、保健所の業務がひっ迫していることと現在の保健所の数との関係について、一概にお答えすることは困難である。

二について

 保健所は、地域保健法(昭和二十二年法律第百一号)第五条第一項の規定に基づき、都道府県等が設置するものであり、保健所の整備については、地域保健対策の推進に関する基本的な指針(平成六年厚生省告示第三百七十四号)において、「保健所は、地域保健に関する広域的、専門的かつ技術的拠点としての機能を強化するほか、地域の医師会の協力の下に医療機関との連携を図ること等により、・・・ライフサイクルを通して一貫した保健、医療、福祉サービスを提供することが重要である」とした上で、「都道府県の設置する保健所の所管区域は、保健医療に係る施策と社会福祉に係る施策との有機的な連携を図るため、二次医療圏・・・又は介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第百十八条第二項に規定する区域とおおむね一致した区域とすることを原則として定めることが必要であること」といった「考え方に基づき、地域の特性を踏まえつつ規模の拡大並びに施設及び設備の充実を図ること」等としているところである。

 これらを踏まえ、都道府県等においては、今後も、新型コロナウイルス感染症に係る業務の状況も含めた地域の実情を踏まえつつ、保健所の整備を行うものと承知している。

三について

 保健所は地域保健法第五条第一項の規定に基づき、地方衛生研究所は「地方衛生研究所の機能強化について」(平成九年三月十四日付け厚生省発健政第二十六号厚生事務次官通知)の別紙「地方衛生研究所設置要綱」を踏まえ、それぞれ都道府県等が設置するものであり、保健所や地方衛生研究所の必要な人員及び予算については、都道府県等において判断するものであるが、政府としては、保健所や地方衛生研究所の人員に係る経費についての地方財政措置等を講じているところであり、引き続き、必要な施策を実施してまいりたい。

四及び五について

 保健所は、地域保健法第五条第一項の規定に基づき、都道府県等が設置するものであり、お尋ねの「保健所で働く人員の定数」の見直し及び保健所が担う個別の業務を保健所以外の組織に移管することについては、都道府県等において地域の実情に応じて個別具体的に判断するものであると考えている。

 ただし、各法令において保健所が所掌することとされている事務の移管については、当該法令の趣旨、目的等を総合的に勘案して当該法令の改正の要否について個別具体的に検討する必要があると考えている。

 なお、政府としては、都道府県等に対し、三についてで述べた地方財政措置等や縮小、延期等の柔軟な対応が可能な業務の周知等に取り組んでいるところであり、引き続き、必要な施策を実施してまいりたい。