質問主意書

第207回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二〇七第四五号
  令和四年一月七日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出金銀パラジウム合金の逆ザヤ問題の根本的解決に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出金銀パラジウム合金の逆ザヤ問題の根本的解決に関する質問に対する答弁書

一及び三について

 お尋ねの「逆ザヤ問題」の「根本的」な「解決」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、「特定保険医療材料及びその材料価格(材料価格基準)」(平成二十年厚生労働省告示第六十一号)に定める価格(以下「告示価格」という。)については、金銀パラジウム合金を含む歯科用貴金属の素材(以下「素材」という。)に含まれる金等の価格が変動しやすいことから、「特定保険医療材料の保険償還価格算定の基準について」(令和二年二月七日付け保発〇二〇七第三号厚生労働省保険局長通知)に基づき、慣例的におおむね二年に一度実施している診療報酬改定に加えて、六か月ごとに、素材の市場価格が告示価格の決定に用いた素材の市場価格のプラスマイナス五パーセントを超えて変動した場合に、市場価格を踏まえた改定を行ってきており、さらに、令和二年度からは、診療報酬改定及び当該六か月ごとの改定を行った月から起算して三か月の時点において、素材の市場価格が告示価格の決定に用いた素材の市場価格のプラスマイナス十五パーセントを超えて変動した場合にも改定を行っているところ、診療報酬改定に際して告示価格の改定の基礎資料を得ることを目的として行っている、保険医療機関、歯科技工所及び保険薬局に対する医療機器販売業者の特定保険医療材料の販売価格(以下「実勢価格」という。)の調査(以下「調査」という。)によると、令和三年九月時点において、金銀パラジウム合金の実勢価格が告示価格を上回っている。

 政府としては、素材の価格の変動の状況を踏まえた金銀パラジウム合金を含む歯科用貴金属の告示価格の改定の在り方の見直し等について、中央社会保険医療協議会において検討を行っているところであり、その検討の結果を踏まえ、適切に対応してまいりたい。

二について

 お尋ねの「逆ザヤが生じている期間についての過去五年間の推移」及び「乖離幅」の意味するところが必ずしも明らかではないが、平成二十九年度から令和三年度までの間に行った調査によると、平成二十九年九月時点、令和元年九月時点及び令和三年九月時点において、金銀パラジウム合金の実勢価格が告示価格を上回っていたが、金銀パラジウム合金を含む特定保険医療材料ごとの実勢価格と告示価格の乖離率については、公にすることにより、医療機器販売業者等の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあること等から、お答えすることは差し控えたい。

四について

 お尋ねの「抜本的な制度そのものの検討」及び「後追いの仕組み」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、令和三年九月十五日の中央社会保険医療協議会総会に提出された「令和四年度診療報酬改定に向けた議論(次期改定の論点等)の概要」は、同年七月七日から同年八月二十五日までの間に中央社会保険医療協議会総会において行われた令和四年度診療報酬改定に関する議論を整理するため、当該議論における主な意見等について取りまとめたものであり、政府としては、引き続き、素材の価格の変動の状況を踏まえた金銀パラジウム合金を含む歯科用貴金属の告示価格の改定の在り方の見直し等について、中央社会保険医療協議会において検討を行っているところである。