質問主意書

第207回国会(臨時会)

質問主意書

質問第二三号

災害時の重機ボランティアへの公的支援に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和三年十二月十七日

塩村 あやか


       参議院議長 山東 昭子 殿



   災害時の重機ボランティアへの公的支援に関する質問主意書

 平成三十年七月豪雨(以下「西日本豪雨」という。)や令和元年東日本台風による災害では、パワーシャベルなどの重機の操縦者不足の問題が顕在化し、このことについて様々な報道がなされた。

 私は、西日本豪雨による災害発生時、広島に居住していたため、発災から約一年半の間、ボランティア活動を行った。シャベルを使った泥のかき出し作業などで腱鞘炎になるなどの苦労をしたため、重機の操縦資格を取得した。しかし、問題は、被災地では一般のボランティアが重機の操縦資格を取得していたとしても、重機を操縦できる仕組みそのものが存在していなかったことであった。そのため、この問題に関して国会で質問を行ってきた。

 そして、令和三年四月十九日の参議院決算委員会において、防災担当大臣に対し、災害時に重機の操縦資格を取得している者が、その資格を生かして重機を操縦するボランティア活動ができる環境を整備することが必要である旨の質問を行い、防災担当大臣から答弁を得ることができたが、改めて、この答弁について政府に伺いたい。

一 災害時に重機ボランティア団体が被災地と連携をしつつも公的支援がないことが課題となっている旨を防災担当大臣に対して質問したところ、「御指摘のように、例えば平成三十年の西日本豪雨のときには国土交通省や一般社団法人日本建設機械レンタル協会あるいは建設機械メーカーが協力をして無料で貸し出したという話ですとか、地域との連携が行われているということでありますが、おっしゃった点についてはしっかり整理をして、いま一度考えてみたいと思います」との答弁を頂いた。「しっかり整理をして、いま一度考えてみたい」との答弁は、重機ボランティア団体への公的支援について政府として前向きに検討するという趣旨でよいのか、改めて確認したい。

 また、当該答弁を踏まえて、政府においてどのような検討を行っているのか明らかにされたい。特に、重機ボランティアの活動について、国としてどのように評価しているのか、また、今後どのように災害時に活躍してもらうことが望ましいと考えているのかを明らかにされたい。

二 同日の同委員会において、被災自治体と重機ボランティア団体との連携やそのための支援や、重機の練習機会の確保が重要である旨の質問を行ったところ、「意欲あるボランティアの方々の心強い活動があって、その中での重機の貸出しについては、貸出しの際の申込み方法や受渡し方法、足場の悪い被災地で重機を操作する上での安全確保、官民での土砂撤去の役割分担などの整理や調整が必要と考えています。いずれにしましても、ボランティアの方々が活動しやすい環境整備についてどのような方法があるのか、関係者からも話を聞いて検討していきたいと思います」との答弁を頂いた。

 当該答弁に関し、政府として、「ボランティアの方々が活動しやすい環境整備」についてどのような「方法」があると考えるに至っているのか。特に、重機ボランティアが活躍するためにどのようなことが必要であると考えているのか明らかにされたい。

 また、当該答弁を踏まえて、政府においてどのような検討を行っているのか明らかにされたい。特に、「関係者」に対するヒアリングの実施状況について、どのように実施しているのか。もし、「関係者」に対して既にヒアリングを行っている場合は、その具体名とどのような意見があったのかを明らかにされたい。

  右質問する。