質問主意書

第207回国会(臨時会)

質問主意書

質問第一六号

つみたてNISAの拡充に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和三年十二月十六日

塩村 あやか


       参議院議長 山東 昭子 殿



   つみたてNISAの拡充に関する質問主意書

 少額投資非課税制度(NISA)は、個人投資家のための税制優遇制度として平成二十六年一月に導入され、つみたてNISAは、特に少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度として平成三十年一月に導入された。金融庁の「NISA・ジュニアNISA口座の利用状況調査」によれば、令和三年六月末時点におけるつみたてNISAの口座数の年代別比率は、二十代が十九・四%、三十代が二十八・二%、四十代が二十四・八%となっている。二十代から四十代の口座数が全体の七割超を占めており、若者世代を中心に関心を集めていると言えよう。

 つみたてNISAの非課税投資枠については、「新規投資額で毎年四十万円が上限」となっており、上限の引上げを望む声がある。一般社団法人投資信託協会が令和三年三月に公表した投資信託に関するアンケート調査の報告書では、つみたてNISA口座の未開設理由の一つとして「年間の非課税投資限度額(四十万円)が小さいから」が挙げられており、投資信託保有未経験層よりも保有層・保有経験層のポイントが高い状況にある。また、若者世代にとって深刻な老後の不安の解消のための選択肢として、つみたてNISAを拡充すべきとの指摘もある。

 以上を踏まえ、つみたてNISA制度に関し、以下質問する。

一 令和二年度税制改正では、NISAに係る大幅な制度見直しが行われたが、つみたてNISAについては、期限を令和二十四年まで延長したのみであった。これまでの税制改正等に際し、政府がつみたてNISAに係る非課税投資枠の上限引上げ等についての検討を行った実績はあるか。検討が行われていた場合、上限の引上げを行うこととしなかった主な理由を示されたい。

二 つみたてNISAに関する国民からの制度改善要望について、政府はどのような手法で把握しているのか。また、現在、政府が把握しているつみたてNISAに関する制度改善要望の主な内容を示されたい。

三 つみたてNISA導入前の平成二十八年二月、金融庁は委託調査(国民のNISAの利用状況等に関するアンケート調査)を実施した。同年十月に公表された結果報告書では、NISA口座を非開設とする理由やNISA制度の改善要望点等が示されている。今後、つみたてNISAを対象に含めた同種の調査を実施し、制度の改善に役立てる考えはあるか、政府の見解を示されたい。

四 金融庁の「NISA口座の利用状況調査」における令和二年十二月末時点のつみたてNISAの「二〇二〇年中における買付額別口座数」のうち、九十八万二千七百八十九口座が零円、すなわち利用されていない状況となっている。政府は、つみたてNISA口座のうち約三分の一の口座が利用されていない理由をどう認識しているか。また、同口座の利用を促進するため、政府は現在どのような対策を講じているのか、明らかにされたい。

五 非正規雇用者等の不安定な就労状態にある人々等から、つみたてNISAの非課税投資枠を拡大してほしいとの要望が届いている。非課税投資枠の拡大により投資の選択肢を増やすことが必要であると考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。