質問主意書

第206回国会(特別会)

答弁書

内閣参質二〇六第一四号
  令和三年十一月二十四日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員塩村あやか君提出HPVワクチンの積極的勧奨の再開に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員塩村あやか君提出HPVワクチンの積極的勧奨の再開に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 御指摘の「平成二十五年六月以降の子宮頸がんの累計罹患数」及び「平成二十五年六月以降に子宮頸がん検診において子宮頸がん前がん病変が発見された者の数」については、平成二十五年六月から平成二十七年十二月までの期間ががん登録等の推進に関する法律(平成二十五年法律第百十一号)の施行前であること、「前がん病変」については明確な定義がないため集計が困難であること等の理由により、正確な数値を把握していないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。なお、同法第二条第七項に規定する全国がん登録情報を集計したところ、平成二十八年から平成三十年までの各年における子宮頸(けい)がんの罹(り)患数は、上皮内がんを除く場合にあっては、平成二十八年が一万千二百八十三人、平成二十九年が一万千十二人、平成三十年が一万九百七十八人であり、上皮内がんを含む場合にあっては、平成二十八年が三万四千百六十四人、平成二十九年が三万四千百二十人、平成三十年が三万四千七百八十一人である。

三の1について

 お尋ねについては、令和三年十月一日に開催された厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議(以下「合同会議」という。)の資料一―一「HPVワクチンについて」の十四ページにおいて、「HPVワクチン接種後に生じた症状(慢性疲労、体位性頻脈症候群、自己免疫性疾患など)とHPVワクチンとの関連について国内外でこれまで調査が行われているが、ワクチン接種との関連性は明らかになっていない」と示しているとおりである。

三の2について

 御指摘の「接種の機会を失ってしまった方々」への対応については、合同会議において「積極的な勧奨を再開するに当たっては、積極的な勧奨が差し控えられていた間に接種対象であった方に対する接種機会の確保が必要である」とされたことを踏まえ、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会において議論が行われているところであり、今後、その結果を踏まえて、必要な施策を講じてまいりたい。

四について

 組換え沈降九価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチンについては、令和二年八月十八日に開催された厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会ワクチン評価に関する小委員会において、「九価HPVワクチンを定期の予防接種に用いることの是非について今後検討すること」について了承されたため、令和三年四月二十日に開催された同小委員会において、当該ワクチンの有効性及び安全性等の論点について議論が行われたが、「引き続き議論をしていきたい」とされたところである。政府としては、同小委員会における議論を踏まえ、適切に対応してまいりたい。