質問主意書

第206回国会(特別会)

質問主意書

質問第三号

北海道太平洋沿岸における赤潮被害から漁業・水産加工業を救済することに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和三年十一月十日

紙 智子


       参議院議長 山東 昭子 殿



   北海道太平洋沿岸における赤潮被害から漁業・水産加工業を救済することに関する質問主意書

 私は本年十月三日に釧路沿岸地域に調査に入るとともに、十月十二日には「北海道太平洋沿岸における漁業被害の調査と原因究明、救済に関する質問主意書」(第二百五回国会質問第三二号。以下「前回質問主意書」という。)を提出した。

 政府は十月二十二日に前回質問主意書に対する答弁書(内閣参質二〇五第三二号)を閣議決定したが、十月三日から続く調査や報道を踏まえると、漁業の再生産を補償するためには、従来の枠を超えた支援が求められているので、以下、質問する。

一 前回質問主意書で「秋サケやウニなど水産資源の大量死などの実態と原因究明、継続した海水のモニタリング調査や赤潮等が水産資源に与えている影響を解明する」よう求めたところ、「北海道庁が原因を調査中であると承知している。政府としても、同庁と連携しつつ、サケ及びウニのへい死等の漁業被害の原因及び状況を把握することとしている」との回答であった。そこで、改めて聞く。

1 政府は、職員を現場に派遣し実情を把握したのか。派遣した日時、人員、聞き取りを行った市町村、漁協を明らかにされたい。

2 道東地域における赤潮被害は初めてのことか。調査で検出された赤潮の原因となる植物プランクトン名と特徴を明らかにされたい。

3 漁業被害は秋サケやウニにとどまらない。魚介類別の被害額とともに、被害総額を明らかにされたい。

4 今後の漁業・水産業への影響をどのように認識しているか。

5 「北海道庁が原因を調査中」との回答であったが、赤潮被害に対する政府の危機感、認識が問われている。二〇二〇年九月から十月にカムチャッカ沖で赤潮被害が発生し、ロシア海域で海洋生物が大量死した。北海道はカムチャッカ半島から一千二百キロメートルほどしか離れておらず、「海流でつながる北海道にとって他人事ではない」(日経産業新聞二〇二〇年十一月十七日)との報道がある。カムチャッカ沖における赤潮がロシア海域から親潮に乗って流れ込んだ可能性がある。政府は、北海道周辺海域における海水のモニタリング調査などの観察や注意喚起などの防止対策を行っていたのか。明らかにされたい。

二 前回質問主意書において、今年の収入源が絶たれた漁業者への支援を求めたところ、漁獲共済で支援が行われるが、「「潜水ウニ漁」は漁獲共済等の対象となっていない」との回答であった。

1 台風や二〇一四年に関東甲信越地方を襲った大雪被害において、被災農業者が意欲をもって農業を継続できるよう共済の有無にかかわらず支援を行っていると承知している。どのような支援策を行ってきたのか、明らかにされたい。

2 漁業・水産業は流通・水産加工業と一体に地域経済を支えている。漁協や水産加工業者、被用者に対する支援が求められていると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。